白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

競走馬の屠畜、安楽死処分を考える。

何度か弊社で取り上げている競馬。

ウマ娘が人気になってからは引退馬支援にも光が当たって

我が事のように嬉しく思っている。

僕自身、馬がとても好きで馬刺しを勧められて一度口にしただけで

それ以来馬刺しなど食べてはいない。

もちろん食べるなと強要することはしないし、競馬で賭けるも賭けないも

人の自由だと考えている。

しかし、長年活躍した競走馬を屠畜することについては軽くはない抵抗を感じていた。

例えば、宝塚記念を制したハマノパレードや、菊花賞を制したレオダーバン(こちらは

行方不明だが)などは、何億も稼いでいるのに最期まで面倒を見ないのは無責任だと

考えていた。

もちろん、自分の考えていることは完全なるエゴである。

それはそうであろう。「じゃあお前が面倒見ろよ」になるし

サラブレッドは年間何千頭も生まれているのに、そのうち何頭だけ保護しろとは

片手落ちじゃないかと言われると返す言葉がない。単に僕が馬好きなだけだ。

それでも、恵まれない馬を見るといたたまれない気持ちになったのである。

そのような中、このような記事を見つけた。

creempan.jp

とある家畜商の方の密着記事で、屠畜されるまでの間できるだけ良い

暮らしをさせてあげたいという思いを紹介している。

非常に考えさせられた。功労馬として、或いは引退馬牧場に引き取られ

静かな余生を送っている馬は一握り。辛うじて生きていても

とても劣悪な環境で苦んでいる馬も当然いるわけで

そういう馬は幸せといえるのか。

 

馬への考え方は地域で違う

 

もちろん、シビアな見方をすれば、馬はそもそも経済動物なのだから

稼げなくなった時点で「処分」されても仕方ないというのも理解できる。

何十年も前はそういう考え方が主流であって、馬は貴重なたんぱく源と

されていた。例えば、福島県では会津若松市が馬刺しが有名だが

豪雪地帯で、昔は食べ物に窮する状態だったからである。

同じ福島県でも相馬地方では、戦国時代・相馬氏が精強な騎馬軍団を組織しており

また、相馬中村神社の神馬としても大切にされている。

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強力な騎馬軍団を再現した「相馬野馬追」。馬は相馬氏にとって大事な存在だった

だから、会津若松の人が相馬地方に行って馬刺しを所望すると

大層怒られたという話を聞いたことがある。

地域によって、馬に対する考え方は違う。

 

できれば苦痛のない死を

 

前述の記事を読んで、僕はちょっと考え方を変えた。

馬の屠畜自体は、やむを得ないかもしれない。

しかし、重賞の勝利馬は国からの補助金が下りるのである。

ぜひ活用して長く繁用してもらいたい。

前述の「ハマノパレード事件」があって世論の批判が高まると

JRA日本中央競馬会)はレースで予後不良となった馬がいれば

速やかに安楽死措置とするよう決まりを設けた。

子どものころの僕はそんな決まりも知らず

1995年の宝塚記念ライスシャワーが故障し

すぐ安楽死処分となったのを見て「何で治療してやんないの!」と怒った。

しかし予後不良となった馬は、自力で立つことができず

段々と他の脚や内臓が腐ってきてしまうのだ。

つまり脚4本のうち1本でも使えなくなってしまうと、それは致命的なのだ。

無理に治療しても、あまりの痛みに耐えきれずに死に至るケースもある。

サンエイサンキューなどはその例であろう。

「馬を苦しませても生かすことが幸せか」というのは確かに疑問だ。

安楽死処分は逆に苦しませることのない死という点で救いはあるのかもしれない。

もし屠畜しなければいけないにしても、苦しまないような措置をお願いしたい。

ただし、天皇賞馬は絶対に屠畜してはならない、絶対にだ!