ツイッターで閲覧制限、ユーザー置いてけぼりになっていないか
7月2日、ツイッター運営側のオーナーである
イーロン・マスク氏は閲覧数を大幅に制限することを発表した。
認証アカウントで1万投稿、未認証アカウントは1000投稿、新規の未認証アカウントは
500投稿という。
極端なレベルでのデータスクレイピング(自動収集)やシステム操作に対応
するための措置だということだが、予告なしの唐突な措置に
「ツイッターサ終」などの悲観的な言葉がトレンドに並んだ。
これに対して、米国メタ社は新しいSNS「Threads(スレッズ)」を開始。
インスタグラムとの連携が必要だが、ツイッターとほぼ同じシステム内容
ということで、既に1000万もの登録があったという。
それに限らず、ツイッターユーザーの中には、もはやツイッターに見切りをつけ
新しいSNSに新天地を求める動きが活発化している。
リアルタイム性で伸ばしたツイッター
ツイッターは、今や世界的な情報発信ツールとして
大きな役割を果たしている。特に、そのリアルタイム性において
流行を追うのに必要であるほか、災害や事故などの情報発信・収集に
なくてはならないものとなったと言って良い。
政治・行政からスポーツ・芸能まで幅広く利用されているツイッターは
社会インフラとさえも言えるのだが、今回の措置で、その信頼性は
大きく損なわれていることは明白である。
しかも、ツイッターのマーケットは日本が極めて大きい。
6月の段階で、ツイッターの世界におけるアクテイブユーザー数は3億3000万
そのうち日本のアクティブユーザーは4500万と10%を超える。
これらのシェアが減ったらどうなるのか、ツイッターの収益構造が大幅に変化するのは確実だ。
広告出稿にも影響は出るか
ツイッターでは、サブスク制を取るまで
利益としては広告が主であった。ツイートの下に「プロモーション」と
記載されているものである。
これは閲覧数により、料金が変わるものとなっているのだが
今回の措置は、広告出稿側の企業にとっても、寝耳に水であろう。
どの層がツイッターから離れるのかは不明だが
広告効果が著しく減少する可能性があるからだ。
「話が違うじゃないか!」とお怒りの企業もいるかもしれない。
内容が変わったことよりも、事前に何の予告もなく
「鶴の一声」で仕様が変わってしまうことがあり得るという事実。
これに直面した今、広告主・ユーザー・サブスク利用者にとって
良き改革と映るか、それともリスクと映るか。
僕は、いかにも米国の新興企業らしい行動力とは思ったが
あまりに利用者に対する配慮がなさすぎるのではないかとも同時に感じた。
どのサービスにも言えることだが、ユーザーに向き合わないものは
早晩衰退する。
ツイッターもその道を歩むのか、それとも別の代替案を示して
ユーザーの流出を抑えることができるのか、イーロン・マスクの言動に
注目が集まっている。