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置き忘れてきた心

川崎市教育委員会は9日、7日に市内に住む中学3年生の
男子が、心肺停止の状態で発見されたと発表した。
神奈川県麻布署では、この男子は硫化水素を発生させ
自殺を図ったという。男子は搬送先の病院で死亡が確認された。
遺書によると、いじめられていた友達を救えなかったことを苦にして
の自殺と見られている。


この自殺は、まったく褒められたものではない。
自分の命を軽んじることはまた、罪だからである。
だが、友人を救いたいという気持ち。これには深く心に
突き刺さるものがあった。
晋の宰相であった趙朔が、屠岸賈によって一族皆殺しにされかかった
時、食客だった公孫杵臼と程嬰が幼い趙武を守るために一計を案じた。
程嬰が屠岸賈へ密告することで公孫杵臼がすりかえておいた別の赤子と共に殺され
趙武は魔手を逃れるということであり、まんまと成功したのであった。
その趙武は、親交の深かった韓氏の保護を受け、成人すると
家の再興を認められた。ところが、程嬰は趙武の立派な姿を見て
友の公孫杵臼に報告したいと言って自決してしまう。
趙武は大いに悲しんだが、彼等のおかげで趙氏は大国として
戦国時代まで隆盛を誇るのである。
時には、親友のために命を懸けることがある。逆に言うとそれこそが
親友である。俺にも幸い、親友と呼べる人が何人かいるが
彼らが公孫杵臼であったら、俺は程嬰になる。逆もまた然りだ。
大切なのは、彼らのためには何ができるのか、というもの。
中3の男子には、他に選択肢はあった。大人の力を借りることも含めて。
死ぬことなんぞは簡単だ。だが、生きてすることのほうが
何倍も価値はあるし、効果的だ。
特にこの中3の子は、将来日本を背負う偉大な人物になるはずの義侠心を持っていた。
人に頼ることは悪いことじゃない。子どもたちが死んでいくのを
見るのは、誠に辛い。