新型コロナで伝統文化にも影響続く
わが国で猛威を振るっている武漢ウイルス(新型コロナウイルス)。
伝統文化にも影響を与えている。
7月25日から福島県相馬市で行われた「相馬野馬追」では
無観客での開催となった。戦国時代の相馬氏の勇壮さを再現した
武者行列でも、馬上となったのは総大将のみ。
よく映像で流される騎馬武者による神旗争奪戦や甲冑騎馬などは
実施されず、相馬中村神社(相馬市)太田神社、小高神社(いずれも南相馬市)
での神事がメインの行事となる。
相馬氏といえば、前述のように戦国大名としての名門。
馬産地を領していたこともあり、大規模な騎馬軍団を組織した。
この軍事力を背景に、北西に位置する伊達氏と正面から激突し
一時は宮城県南部で伊達勢を駆逐するほどであった。
相馬騎馬軍団の誇りが、今に根付いているのである。
ともあれ、この相馬野馬追は東北を代表する祭りの一つであり
縮小して開催することはいささか残念に思う。
まだ開催できるだけマシなのかもしれない。
一方、七夕は中止…
一方、伝統行事といえば仙台七夕も中止が決まった。
仙台では、七夕といえば他地域と違い、旧暦で表すため8月7日を指す。
そのため、毎年8月7日は中心部商店街を中心に多くの吹き流しで
まちの人々の目を楽しませていた。
仙台青年会議所では、この祭りに連動して花火大会も実施していたため
例年延べ150万人もの人で賑わう。
それらが全て中止となったため、中心部商店街はただでさえ売り上げが厳しい中で
人の動きがぴたりと止まったといって良い。
ましてや飲食店ではクラスターが発生したこともあって
ようやく戻ってきた人の動きも再び重くなった。
主流となる「域内観光」「域内消費」
そのような中、「GO TOキャンペーン」が22日からスタートした。
一人当たりの旅行代金を35%、最大で半額にもなるというこのキャンペーンは
旗は立てたけれども、その内容はほとんど誰も知らないという代物だった。
旅館組合や旅行業協会などにコミットしている業者はまだノウハウを
知っているようだが、しかし同キャンペーンの申請先がまだ決まっていないという
見切り発車に近い状況だ。
実際、行政や商工会議所のアンケートによると、最も打撃を受けているのは
観光・飲食業者である。従って、このキャンペーンの狙い自体は悪くはない。
しかし、業界や行政などへの説明はしっかり行うべきではあったであろう。
また、同キャンペーンの枠組みの中には「GO TO 商店街」もある。
観光が域内観光になるのは必然であるから、地元の商店街へ足を運んでもらう
これは非常に大事なことである。商店街は地方都市の顔であり
商業の核でもあるからだ。ぜひ国には、域内消費をさらに加速させる
取り組みを強化していただきたい。