白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

独裁者が転生?「帰ってきたムッソリーニ」が密かな人気

言わずと知れたファシスト党創始者・統帥ムッソリーニ

ヒトラーばかりが独裁者としては目立っているが

彼はムッソリーニに影響された部分が極めて多い。

ムッソリーニヒトラーに10年先立つ1922年に首相に就任

ヒトラームッソリーニの成功を見て、ミュンヘン一揆(失敗)

プロパガンダ政策を真似たことでも知られる。

ただイタリア自体がドイツに国力、軍事力ともに劣っていたことや

戦争途中で失脚したことなどが原因となって、詳細な業績はさほど知られていない。

ムッソリーニは結局、パルチザンに捕まり、銃殺された上に遺体を愛人の

クラレッタ・ペタッチとともにガソリンスタンドで吊るされたわけだが

そのムッソリーニが現代に転生したらどうなる?という映画

「帰ってきたムッソリーニ」が密かな人気となっている。

f:id:kick:20210124005453j:plain

ティザー画像

 

 

イタリアのルカ・ミニエーロ監督が「帰ってきたヒトラー」に着想を得て制作。

現代に転生したムッソリーニは、当然本人と思われず、そっくりさんだとして

テレビショーに見出され、持ち前のカリスマと演説力で

大きな人気を得ていくのであるが、最初は冗談で受けていたら

徐々に大衆の支持を得ていくのである。それこそが彼の狙いだと知らずに。

帰ってきたヒトラー」でもそうだったが、ムッソリーニでもオープンカーで

走って沿道の一般人から敬礼(イタリアでは手を高く掲げるローマ式敬礼

法律で禁止されている)されたり、実際に極右政党に乗り込んだりと

体を張った作品となっている。

ヒトラー」と違うのは、ムッソリーニの演説がかなりぼかされていること。

それから現在の政治家を批判しないこと(「ヒトラー」ではメルケル首相を「豚」と

呼び、社会民主党もルンペンとこき下ろしている)

脚本がそうなのか、わざとそうしているのかわからないが

実際のムッソリーニの演説と比べても、全く内容が入ってこない。

下記動画は実際のムッソリーニの対米宣戦布告の演説である。


【日本語字幕】ムッソリーニ演説 - 対米宣戦布告 1941 年 12 月 11 日

ただ、独裁者が転生して大衆の支持を得るというのは

現在の政治がいかに不信の塊となっているかを痛感する。

わが国でも、政治というと何かしら胡散臭いイメージがある。

本来なら政治こそが国家の要諦であり、人類の歴史そのものと言って

良いのであるが。「独裁」とは、その名の通り、特定の政党や指導者に

権力が集中する政治体制で、アフリカやタイで起こるようなクーデターでの

権力掌握や、選挙で一党が議会を独占する「一党独裁」という方法がある。

また、サウジアラビアのような絶対君主制も少数ながら現存している。

ドイツとイタリアでは、選挙での一党独裁を実現させた手法で

国民が独裁制を選んだ結果である。プロセスは民主主義的手順を踏んではいるが

独裁制は民主主義を否定するもので、いつの時代でも起こり得る結果だ。

 

独裁主義に支持する層が増えている?

 

しかし、「ヒトラー」も「ムッソリーニ」も観た上で言えば

大衆は一定数、現在の政治にうんざりし、独裁主義を支持していることだ。

わが国は独裁主義であったことはないし、対米戦中でも首相は3回変わっている。

ヒトラームッソリーニのような独裁者がわが国を治めていたら

どうなったであろうか。いろいろな可能性が考えられるであろう。

その一つの物語として、本作は参考になるのではないだろうか。


映画『帰ってきたムッソリーニ』予告編

 

本編はこちら