白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

住みたい?住みたくない?注目集まる事故物件

事故物件という言葉が最近、知られるようになってきた。

事故物件とは、正式には「心理的瑕疵物件」というのだが

主に前の居住者が死亡するか、またはその物件で死亡事故や事件

孤独死などが起こった物件を言う。

この場合、不動産業者は次に借りる人に「重要告知事項」として知らせる義務がある。

(厳密にはいつまで、という決まりはない)

その「心理的瑕疵物件」を公示しているサイトで有名なのが

「大島てる」である。僕もこのサイトはよく見ていて、近所の事故物件を見たり

しているのだが、実際にあったものもあれば、真偽不明な情報もある。

www.oshimaland.co.jp

特に僕の中学校の母校で心霊現象があるとかいう情報があった。

ちょうど同窓会の役員をやっているので、役員会の時に

「こういうサイトにこんな書き込みがあるんですが、実際にあるのですか」

と聞いてみたところ、誰もが「知らない」と怪訝な顔をしていた。

それで、こういうサイトは玉石混淆なんだなあと思っていたのだが。

いろいろなところで大島てるが取り上げられ

代表の大島てる氏のサイトに対する考え方や運営方針を聞いたところで

不動産業者にしてみたら迷惑この上ないのかもしれないが

実際必要なサイトなんだろうと考え直した。

 

「事故物件住みます芸人」松原タニシさんが人気

 

その事故物件に、自ら住もうという芸人が現れた。松原タニシさんである。

何件もの事故物件に住み、その体験を話すというやり方は

オカルトファンから大きな支持を獲得し

「事故物件住みます芸人」としての地位を確立している。

2020年8月には、亀梨和也さんが主演となって映画「事故物件 恐い間取り」が

公開され、今や事故物件を知らない人は少数派であろう。


映画『事故物件 恐い間取り』【特報】8月28日(金)全国公開

ただ、事故物件とはいっても、住みたい人も一定数いるようで

「家賃が安い」「部屋が綺麗」と好評らしい。

実際住んでみると、心霊体験など発生したことがないという人が多い。

確かに、人が死んだ場所なんて探せばいくらでもあるわけだし

戦時中に大勢が亡くなった東京や沖縄などは逆にどこに住めばいいんだという

感じだろうし、災害で何千もの人が亡くなったところは今更気にしても…

という気持ちだろう。

 

自宅で心霊体験をするという怖さ

 

それでも、凄惨な殺人事件が起きたところはやはり気味が悪いし

自殺があったところは、怨念といおうか、負の感情が残ってそうな気もする。

タニシさんも、著書「怖い間取り」の中で、心霊体験について言及したり

酷い時は家に帰りたくなくなることもあったそうだ。

家に帰ると、不思議と気力が抜けて何もできなくなるのだという。

また、畳をめくると血痕がついていたり、洗面台の排水溝から髪の毛が出てきたりと

ずいぶんな体験である。

僕もホラーは好きなのだが、「恐い間取り」は読んでいて背筋が寒くなった。

生活圏そのものが曰くつきというのは、安置がない分おっかないものである。

人は、スイッチのオンオフがはっきりしている生き物で

生活圏では基本スイッチはオフ。そこへ何か妙な現象が起きたら…?

心臓麻痺でも起こして、自分が新たな事故物件を作り出すことになるかも。

ただ、この事故物件の問題はまちづくりにも一石を投じている。

大島てる氏はネット番組の中で

「人口は減っているのに物件はどんどん増えているわけですから

 ユーザー側が物件を選ぶことができる。事故物件の在り方も変わってくるのではないか」

と話しており、無尽蔵な物件供給にも警鐘を鳴らしているのはさすがといったところ。

単純に怖がるだけではなくて、コミュニティーの問題や都市計画と絡めた

社会的課題だと考えれば、見方も変わってくるかもしれない。