首相のこと「宰相」って呼ぶけど
国会において首班指名選挙を経て、首相に指名され
さて、どのような舵取りを行うのか、我々は注視しなければならない。
一気に勝負に出るのか、それとも勝負を先送りにするのか
確実な情報を持っている人は今の段階ではいないはずである。
どういう方針であるのかは組閣と党内人事で予測できることであろう。
わが党も、和戦両様の構えを崩さずに準備を粛々と行う所存だ。
首相のことを「宰相」と呼ぶ理由
ところで、内閣総理大臣のことを「宰相」と言うが
実は宰相というのは「参議」の唐名で、官位として高いわけではない。
例えば「姫路宰相」こと池田輝政は正三位で参議に任ぜられているし
参議というのは、『職原抄』に
諸官の中、四位巳上、その才有るの人、勅を奉じ官中の政を
参議するの意なり。
とあって、朝政に参議することが大臣のようであるから
宰相(相は大臣のことをいう)と呼ぶようになったのだという。
つまり参議とは大臣ではなく、官僚の扱いであった。
それが明治初期に、王政復古をしたのは良いものの
これまで太政大臣、または左右大臣は公卿がなっており政治の権限が
ほとんどなかったので、省を統括する立場として参議が浮上したのである。
そこで、参議は内閣を組織したものの、地位は大臣と比べれば格下で
実務官僚と大臣との対立が続くことになった。
最終的に1885年に太政官制度が廃止されると、参議も廃止されるのだが
参議の組織した内閣制度自体はそのまま残り、内閣首班であるところの
総理大臣が宰相と呼ばれる所以になったのである。
これは参議という言葉より、「相(大臣)を宰する(上に立って行う)」
という意味もあって用いられ、現代に続いているのである。
つまり、宰相というのは内閣総理大臣ど同等であるが、その歴史は
議院内閣制度よりも古く、「新宰相」にはそれを名乗るに相応しい
政治を行うことが要求される。
どうか国民の期待を裏切ることのない政治を行い
わが国にあだなす国は断固斬るという思いを持ってほしい。