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新元号に「令和」そもそも元号とは?

4月1日、菅義偉内閣官房長官より、新元号が発表された。

元号は「令和(れいわ)」である。出典は万葉集

 于時、初春月、氣淑風、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香。

 というのが原文である。「令月」とは何事も行うに良い時という意味で

「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味を込めていると

安倍晋三内閣総理大臣より解説があった。

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令和の揮毫を掲げる菅義偉官房長官

国民は、さほど抵抗感もなく受け入れたという感じであろうか。

「令」という字に「法令」といったイメージがあり、それに対して

懸念を示している人がいた程度である。

外電は「Order and Hermony」と報じている。「令」の表現に苦労したさまが

見てとれるようだ。

これまでの漢籍ではなく、国書からの出典というのは極めて稀。

また「令」という字が含まれた年号は初である。

なかなか考えたな、というのが第一印象であった。

さて、わが国がこの元号の理想通りに歩むことができるのか、一人一人に掛かっている。

 

そもそも元号の意味とは?

 

この新元号発表のタイミングで「そもそも元号が必要なのか」という論も出ている。

大部分は「元号はあっても良いが、西暦に統一してほしい」というものだ。

現実的な話をすれば、どちらかに統一するのが手っ取り早いといえる。

では、そもそもこの元号はどのような考えで建元されたのだろうか。

わが国初の元号は「大化」である。大化の改新が起こり、新しい国づくり

に取り組まれ始めたのを背景に、中央集権化と国民の掌握を目的としたものと

されている。

今回のように、天子様がお替りになる「代始改元」はまた目的があり

年号の本義は、その天皇の治世に寄せる期待を表しており

一例をあげると、大化や大宝と同じく、聖武天皇の即位とともに

定められた天平は天下泰平を祈念して名付けられたものである

(米田雄介「歴代天皇年号事典」) 

 とある。改元の手続きは、まず勅命を受けた大臣が文章博士元号案を

考えさせる(これを「勘申」という)。漢籍の中から二文字の佳字を選んで

典拠とともに提出する。それを大臣や参議らが集まり、審議するのである。

文章博士は大学寮に属したが、官僚とは少し違う扱いで、古典に通じた

人物が選ばれた。その下には、文章得業生、文章生がいて、それぞれ

礼記」や「史記」から試問し、合格したものが所属することができた。

これを現代に置き換えると、元号の懇談会が大臣や参議に当たるであろうか。

(現代では誰が考えたのかは公表されないため、「文章博士」はシークレットとなる)

つまり、元号というのはその時代の理想が込められたものなのである。

従って、「不便だ」の一言で無くして良いほど軽いものではない。

 

元号とは、これまでわが国を支えてきた先人の思いが詰まったものであり

新しい元号は、これからわが国が目指す国の形なのだ。

そう考えれば、簡単に無くそうとは思えないのではないだろうか。