仙台市長選、郡氏再選も投票率が壊滅的
8月1日に投開票が行われた仙台市長選挙。
現職の郡和子氏が圧倒的多数で新人の加納三代氏を破り
再選を果たした。
問題は、投票率である。何と驚くべきことに
投票率は29.09%。3人に1人も投票に行っていない計算になる。
郡氏は、「新型コロナの影響」「オリンピックの真っ最中である」などを
理由に挙げていたが、どう考えてもこの選挙が結論ありきだったからである。
実際僕でさえも、投票に行くのが極めて面倒だった。
何しろ、自民党宮城県連が対抗馬として現職の市議を擁立することを表明していたが
直前になって立候補を断念、自民・立憲を中心とする超党派の議員による
支援組織が立ち上がり、郡氏の支援に回ったのである。
対する加納三代氏は、元衆議院議員という肩書はあるにしても
1期のみ務めたあとは、複数の選挙に出ては敗退することを繰り返し
今回の選挙も「誰も出る人がいないなら」という理由であったから
この結末は目に見えていたのである。
与野党相乗りの弊害
そもそも郡和子氏は、旧民主党で国会議員を務めた後に市長選に立候補。
自民擁立の候補と激しく戦った経緯がある。
そのため、当然与党が多数を占める市議会は郡市政に必ずしも
好意的ではないのが自然な流れである。
仙台市議会では、自民が最大党派であり、郡市政へ対抗するためには
この選挙で自民党宮城県連は候補者を擁立して姿勢を鮮明にする必要があった。
「党派をまとめるためにも出さないといけない」とは現職市議の言である。
しかし、今回の選挙で公然と郡陣営の応援に回った市議が出たことで
郡市政に対抗することは憚れるようになった。
与野党相乗りの弊害というのは、この後の議会運営にも影響が出ることである。
ただでさえ武漢肺炎対策に四苦八苦している与党。求心力不足は避けられそうにない。