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自民苦戦、共産躍進の背景に中小政党の「悲鳴」

地方選挙の中でも東北地方の政局を左右する宮城県議会議員選挙。
10月25日に投開票が行われた。有権者は153万3924人。
当日の投票率は40.03%と極めて少ない上、特に仙台市は全体的に低く
宮城野区はわずか29.88%と県内で最も少なかった。
結果は自民党は27議席(31)、共産党は8議席(4)、民主党は5議席(7)
公明党4議席(4)、維新1議席(1)、社民党1議席(4)、無所属13議席(7)
(カッコは選挙前)
と、自民党は第一党の座を守ったものの、加美町で現職が敗れるなど苦戦を強いられ
単独過半数を割った。
一方、共産党は4議席から倍増の8議席を確保。
反自民を明確に打ち出したことで自民不支持層の取り込みに成功した形といえる。
特に仙台市選挙区で新人が躍進し、民主・社民票の多くが共産に流れた形。
民主党はしっかりした対立軸を展開することができず
「政治に興味がなくても、とりあえず○○と書いてください」と「悲鳴」にも似た
訴えも聞かれた。
また社民党共産党の影に隠れ、わずか1議席を獲得したに過ぎなかった。


加美町では、放射性廃棄物の最終処分場建設を巡って
非自民系の猪股洋文町長をはじめ多数の住民が反対運動を展開しており
自民への大きな逆風が吹いた。5選を目指したベテラン・皆川章太郎さんが敗北するほどだ。
無所属新人の高橋啓さんが町内で最大の票田かつ反対運動の盛んな
中新田地区を中心に支持を広げた。


仙台市内では、自民が一定の得票を獲得したものの
党の長老である相沢光哉さんが最後の当選枠に滑り込むなどの接戦を強いられたほか
泉区では現職で一定の基盤を誇った外崎浩子さんが意外な落選。
衆議院議員民主党の推薦を受けた鎌田さゆりさんが
トップ当選。2005年に公選法違反で議員を辞職してから10年ごしの雪辱を晴らした。


若林選挙区では3人の定員にそれぞれ自民・民主・共産の公認を受けた4人が挑み
自民では渡辺勝幸さん、細川雄一さん、共産は福島一恵さんが当選した。
渡辺さんは40歳の新進気鋭。市川一朗参議院議員秘書を務めた後、地元で起業支援会社を経営。
11年の県議選では無所属で立候補するも、涙を飲んだ。
その後、朝立ちを積極的に行うなど、実に500回以上有権者に政策を訴え続けた。
今期で引退する千葉達氏の後継として自民党公認を受け、地道に後援会づくりも行ってきた。
選挙告示の段階では「当落線上で大変厳しい」と危機感をにじませながらの選挙活動。
業界団体や組合などの組織を当てにすることなく、これまで培ってきた人脈と活動中に得た支援者が
自発的に選挙活動のサポートをするという、「皆さんのほうが熱い」と後援会長も驚嘆するほど
精力的な選挙運動が実を結んだ。
当日、23時ころに当選確実のほうが流れると、数十人の支援者であふれた選挙事務所は
歓喜の声に包まれた。

当選が決まり、支援者と喜びを分かち合う渡辺さん


渡辺さんは「自分のことのように支えていただいた皆様のおかげで当選することができた。
この4年間宮城に強い経済をつくり、宮城が成長の主役であると覚悟を持って
県政に力を入れたい」と声を詰まらせながら支援者に感謝の言葉を述べた。



支援者から花束を受け取り感極まる渡辺夫妻。今回の当選は内助の功あってのものだった。


当初は「当落線上」と心配されたが
開票所での目算は圧倒的に多く、蓋を開けてみれば1万票を超える
得票でトップ当選。事務所には和田政宗参議院議員も駆けつけて
当選を祝うなど、夜遅くにもかかわらず大勢の人が祝福に訪れた。


なお、自民党過半数割れと報じたマスコミも多かったが
無所属の自民党推薦候補が複数いるため
自民党会派の30議席以上は確実と見られている。
一方、民主党共産党におくれはとるまいと、無所属議員の取り込みを図っており
8議席と同程度までは確保できる見込みという。