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京アニファン感謝イベント「私たちは、いま!!」


アニメーション制作大手の株式会社京都アニメーション(略称、京アニ)と

子会社のアニメーションDoでファンへの感謝イベント

「私たちは、いま!!」を実施中だ。

kyoanido-event.com

もともとこのイベントは、京アニが毎年全国で行っているもの。

2019年7月には、京アニの社屋が放火されるという大事件が発生したのだが

この時、たまたま同イベントにより原画およそ70点を貸し出していたため

難を逃れたというエピソードもある。

現在仙台市にある喜久屋書店で開催中の同イベントでは

ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「Free!!」など

人気作品約50点の原画が展示されているほか

グッズの販売も豊富で、京アニショップに行ったのを思い出すほど。

 

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作画が展示されている

 

展示されている原画も拝見したが

全てがていねいで、きれいで、緻密であった。

特にヴァイオレット・エヴァーガーデンは人物の感情表現が

とても細かいのだ。まるで宗教画のようだった。

「こんな作画細かいのマジやばくね」と目を丸くしてしまった。

あんなに残酷な事件が起こってなお、素晴らしい作品を生み出し続ける

原動力はどこにあるのだろう。

実際、中核スタッフを一斉に失ってしまった会社は、再建を諦めるか

事業規模を縮小することを余儀なくされることが多い。

しかし、京アニは変わらずに(スケジュールの変更こそあれ)

名作を世に送り出し続けているのだ。

いかに京アニのスタッフがアニメを愛しているか、であろう。

そして彼らは自分たちの愛するものを守るための方法として

再生することを選んだ。実に困難な道である。

例えば債務超過に陥った企業が黒字化するためにはかなり強力な

改革を必要とする。単にコストカットを連発する企業もあるが

それでは事業は先細りし、遅かれ同じ道をたどる。

全てを元通りにすることを選ぶことは、起業するのと同じくらい

大変なことである。

それでも全国のファンからは大きな支援が寄せられた。

もちろん、事件に対するお見舞いという意味での義援金も多かったが

僕のように京アニファンが増え、定期的に作品を見る機会が増えたのは

京アニの社内のホワイトな体質であったり、作品への愛情であったり

そういったものが外に出始めたからだ。

それで、京アニの作品のクオリティーの高さに「納得」した。

 

素直に賞賛できることの嬉しさ

 

アニメ制作の裏では、必ず何かが犠牲になっていることを僕たちは知っている。

それはアニメーターの生活であったり、予算であったりして

事件化したものまである。そこまでする必要があるのか…と疑問を抱きつつ

何かできるわけでもなくて、消費し続けていた。

そのような疑問を抱かずに楽しめるというのは、最大の武器だ。

このイベントでは、むしろ「作品を見てくれ!これが京アニだ!」という

メッセージ性こそあれ、京アニ自体を紹介するものではない。

だが、僕は納得した。京アニはこれからも京アニなのだと。

さしあたり、「小林さんちのメイドラゴンS」が21年7月から放送予定。

きっと1期に負けず劣らずの素晴らしい作品になっているに違いない。

これから楽しみである。


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