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北の守り、大湊警備府(現地方隊)に行こう!

ただいま、イベント開催中の艦これ。広島県呉市長崎県佐世保市などでは

リアルイベントも行われて羨ましく思っている。

僕も聖地巡礼に行きたいと思っていて

横須賀に行ったりはしているのだが、実は東北にも

「大湊警備府」という海軍部隊が存在していた。大湊というのは

現在の青森県むつ市にある軍港で、下北半島を北上する必要があるから

かなり交通が不便なのである。青森には何回か行っても

下北半島に回ってそこから北に行くのはよほどの用事がないと

行くことはない。

だが、陸奥湾に面した上に、津軽海峡の警備に適しており

日露戦争時には、ロシア艦隊を警戒して要塞が強化されるなどしている。

大東亜戦争開戦時の大湊警備府の兵力は

駆逐艦沖風、神風、沼風、野風、波風

海防艦八丈、国後、石垣

特務艦白神、葦崎、黒崎、大泊

その他30隻ほどの駆潜艇や監視艇などからなっていた。

特に、この警備府は青森、津軽、千島方面をカバーしており

対潜哨戒などに活躍したのである。

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駆逐艦沖風(wikipediaより)。昭和18年4月千葉県勝浦沖で敵潜水艦により撃沈

戦争末期にもなると、戦線が縮小したこともあり

残存艦艇が同警備府に編入されてきた。例えば

駆逐艦柳、橘

海防艦択捉、占守、福江、笠戸などである。

1945(昭和20)年11月30日、同警備府は廃止され

後の自衛隊となる保安隊が組織されると

1953(昭和28)年、大湊地方隊が組織され再び大湊は

軍港として復活した。編成当時、わが国は東西冷戦の最前線に位置しており

対ソ防備の拠点として重要視されたのである。

現在、同地方隊に所属している艦艇は

多用途支援艦すおう

掃海艇いずしま、あおしま

ミサイル艇わかたか、くまたかで

いささか心もとない隻数で、北海道周辺もカバーしている。

もちろん、空自では三沢基地があり、北海道には千歳基地があるので

防衛力は強化されているのだが。

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冬の北洋館(大湊地方隊公式ツイッターより)

大湊警備府跡地には、北洋館という資料館があって

この建物は、海軍士官による親睦団体「水交社支社」の建物をそのまま使用している。

北方の防衛をテーマに、貴重な資料約1000点が展示されているという。

大湊警備府といえば、艦これユーザーには海防艦たちの所属基地として馴染み深い。

わが国の「北の防人」としての役割を果たしてきた部隊であり

対露政策や対北朝鮮政策を考える上では、これから重要度が増すだろう。

いつになるかはわからないが、ぜひ一度伺ってみたいものである。