コロナショックの一年、儲かった業界は?
暑い日が続くが、暦の上では秋になった。
今年一年を振り返る時期に差し掛かっている。
例えばこの一年、経済動向を見ていても
コロナ一色である。この状況が元に戻るのは難しいだろう。
特に、飲食店や旅行関係は深刻だ。
コロナ禍はサービス・飲食業91.8%に影響
株式会社フリーウェイジャパン(本社東京都)によると
同社が7月22日~23日にかけて実施した小規模事業者実態調査の中で
最も影響が大きいのが
飲食・サービス業(91.8%)で次に製造業(83.1%)、教育(80.0%)、運送業(80.0%)と続いた。
原因としては最も大きいのが「営業の自粛」(44.3%)「販売・営業への支障」(34.9%)
で、固定費として人件費を見直したのが41.0%にも上った。
衛生用品と巣ごもり消費で需要拡大
一方で、コロナ禍がビジネスチャンスを生み出した業種もある。
まずは衛生用品である。
『日経業界地図2021』によると、国内のマスクの生産量だけでも2018年度は
およそ55億枚だったのが、19年度は60億枚を大幅に超えた。
20年度はさらに増加していると考えられ、衛生用品大手のユニ・チャームは
20年1~6月末の決算で売上高3566億円で前年比4.1%の増収
コア営業利益が553億円で前年比41.1%の増益となった。
また、「巣ごもり消費」の恩恵に預かっているのが、ネット通販(EC取引)や
動画配信サービス、電子書籍といった自宅完結型の業界だ。
楽天が8月に発表した第2四半期決算によると、連結売上高は前年同期比13.4%の増加
国内EC流通総額は前年同期比15.2%も増加した。
さすがに楽天トラベルや楽天野球団といった、休止を余儀なくされている分野は
伸び悩んでいるが、それでも連結では大きくプラスであり
第1四半期で前年同期比連結売上高4%の増加を記録したソフトバンクなども成長を続け
テレワーク需要により法人営業は同11%増の313億円を記録するなど
引き続き高い業績を維持している。
これからは、新型コロナ対策をしつつ、日常生活を取り戻すことに
主眼が置かれる。そこで、マスクやアルコール除菌剤などのほかに
光触媒や空気触媒により、ウイルスを不活性化させるなどの技術も注目されている。
民間では新型コロナウイルスの試験を行うことができないため
エビデンスに疑問の余地はあるが、こうした技術開発はますます進み
より信頼性の高い殺菌、除菌製品が出てくるものと推察される。
このコロナ禍をたくましく生き残るためには
将来を見据え、顧客が何を求めているかを
しっかりキャッチした企業になってくるであろう。