総裁選で注目される「東北の首相」
自民党総裁選が始まったということで
地元でもずいぶんと活動しているようである。
安倍晋三首相の後継として指名されたも同然で
「令和おじさん」として広く知名度もあることから
他の岸田文雄政調会長、石破茂元防衛庁長官を引き離しているのだ。
菅官房長官は、自民支持層からは大きな支持を得ているが
「アイヌ新法」を推進して公費を無駄遣いしたとして
その方向性に疑問を呈する人も多い。
誰が総裁になったところで、来年の衆院選のつなぎに過ぎないと
誰にも期待していないという声も聞かれる。
もちろん、他の2人と違い、世襲議員ではないことも大きい。
そこから政治家秘書となり、横浜市会議員を経て、政治家として大成する。
菅氏が総裁となれば、必然的に首相にもなるわけで
秋田県出身初の首相が誕生することになりそうだ。
東北地方で岩手県出身者の首相経験者が5人
東北地方はパッとしない地域ゆえか、あまり首相を輩出しないイメージがある。
しかし、実は東北地方の中でも岩手県だけが突出して首相を輩出している。
原敬、齋藤実、米内光政、東条英機(生まれは東京だが本籍は盛岡市)、鈴木善幸
の5人も輩出しており、8人の山口県に次ぐ2位である。
岩手県が多いのはどういうわけだろう。
賊軍と呼ばれた反動というには、仙台藩や会津藩、米沢藩が奮わない。
ただし、戦後の鈴木善幸以外では、天皇陛下の信頼が厚く、かつ忠義の人である。
悪いイメージが先行している東条英機は、実は昭和天皇への忠義は人一倍で
対米英戦やむなしとなった際において、昭和天皇のご希望に沿い
再度外交交渉を行っている。また、終戦直前には徹底抗戦を主張していたが
昭和天皇に諭されるや、その主張を引っ込めるなど、あくまで忠義を貫いた。
岩手県の風土に要因を求めるのはどうであろう。
ハングリー精神と競争相手が人を育てた?
その石高はわずか20万石と少ない。というのも山地が多く
寒冷地でもあることからコメの収穫は奮わなかったからである。
そこで、馬の生産に力を入れ、南部産の馬は有名になった。
また良質の鉄が採れたので、南部鉄器といった工芸品も開発された。
つまり、不足している分を既存のもので工夫したのである。
さらに南の伊達家や北の津軽家とはたびたび衝突し、特に津軽家は
もともと家来筋だったのを勝手に独立されたという認識から
その遺恨は明治以降も残った。
良き(?)競争相手にも恵まれたことも、岩手県の人材を生み出すきっかけに
なったのかもしれない。
今でも仙台はやれ動きが鈍いだの、内側にこもっているだのと
言われている。宮城出身の政治家は奮起して、天下を目指すくらいの
気概を見せる時であろう。