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ユーロは終わるのか

世界は、リーマンショックに続く未曾有の不況に陥ろうとしている。
始まりは、ギリシャの財政危機だ。2009年の財政赤字について、
GDP国内総生産)比で12.7%に達するとギリシャ政府が発表したことが発端。


日本の債務は約900兆円あって、GDPは約500兆円だから、ギリシャよりひどい
じゃないか!ってな声もあるわけだが、まぁ確かに額だけ見れば酷い。
しかし、理論上日本が財政破綻することはかなり可能性としては低い。
なぜなら、日本の国債は日本円で発行されているために、自由に発行ができる。
また、紙幣もまた政府が日銀に刷らせて、それを買い取らせているわけだ。
従って、通貨の乱発や国債の過剰発行で、国民の生活は苦しくなるかもしれないが
財政破綻する可能性は低いといえるわけだ。
さらに国民の貯蓄額は約1500兆円ある。即ち、日本とギリシャでは財政的な基盤が
まったく違う。
一方、ギリシャでは、ユーロを通貨として用いているため自由に発行ができない。
そのため、借金を返す方法は極めて限定的になってきてしまうのだ。


ギリシャ政府は、赤字削減策として、公務員の特別手当を廃止。
さらにたばこ、酒税の増税などを盛り込んだ削減計画を盛り込んだが
労働組合は一斉に反発し、連日のデモが行われた。


ギリシャでは、公務員の給与がOECD諸国の中で
ギリシャは対GDP比11.1%で高水準にある。日本は6.2%、アメリカは9.9%。
さらに、ギリシャでは公務員数が全国民の約25%にあたる。
つまり、この公務員優遇がギリシャの財政危機をもたらしたといっていいのだが
この赤字削減策には公務員が大反対。当然組合の力も強いため
政府はかなり苦慮している。


そこで、EU諸国ではIMFと連携してギリシャに1100億ユーロの緊急融資を承認した。
しかし、ギリシャの信用不安のあおりを受けて
格付け機関ムーディーズでは、ポルトガルの格下げを発表。
さらにスタンダード&プアーズはスペイン開発金融公庫を
「同国の財政が悪化する可能性が高い」として格下げを行った。
このように、EUがギリシャを救済しても、他国に波及する恐れは十分にある。
そういった中で、急激なユーロ安、世界同時株安が果たして食い止められるのか。
甚だ疑問であると指摘せざるを得ないのが現状である。