白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

誕生日と節分と

本日、無事誕生日を迎えることができた。

多方面から祝福のお言葉を賜り、恐悦の限りである。

思えばここまで生きて来られたのはひとえに

僕の家族や友人、仲間の皆さん方のお助けあってのこと。

心より感謝申し上げたい。

思えば40も近くなってきた。「不惑」にはまだまだ遠いが

しっかり軸を持ち、多くの考えを吸収して柔軟な生き方をしたいものだ。

 

せっかくの節分が…

 

それで本日は節分でもある。

豆を撒いて、鬼を退治して福を呼ぶ伝統行事もまた

新型コロナという「鬼」が深い影を落としている。

豆撒きをすると密集するからできないというのである。

www.jiji.com

この場合、鬼は入ってき放題にならないか。

豆撒きを中止したという、とある寺院に聞いてみた。

すると

「人がいてもいなくても豆は撒くので大丈夫です」と言われた。

数を少なくすればもったいないということもあまりないだろうが

それにしても、いささか寂しくはないだろうか。

伝統行事がかような形で中止されていくのを見るのは辛い。

人に来てほしいが、感染が怖いというジレンマである。

仕方ない。大人しく家で豆を買って食べるしかなさそうである。

 

civ6で新たなDLC配信、ベトナムとモンゴルがリングに上がる!

世界的な箱庭SLG「Sid Meiers CivilizationⅥ」で1月29日

新たにシーズンパス「ベトナムフビライ・ハンパック」の配信を開始した。


『シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI』シーズンパス DLC第5弾「ベトナム&フビライハンパック」ご紹介(字幕あり)

ベトナムのキャラクターは趙氏貞で、支那三国時代の248年

ベトナム北部において呉に対して反乱を起こし、緒戦こそ勝利を続けたものの

陸胤が大軍を率いて鎮圧に乗り出すと、これと激戦を繰り広げ戦死した武将である。

当時、ベトナムは呉の領土であったから、趙氏貞はただの反乱軍に過ぎないのだが

ベトナム人からは民族の英雄として知られている。

 

時代考証大丈夫か?腑に落ちない人選

 

しかし…どうなのだろう。このチョイス。

スコットランドでウイリアム・ウォレスを担ぎ出すのと同じ気がする。

ベトナムならば素晴らしい君主や元首がいると思うのだが。

フビライを出すのなら、そのフビライの侵攻を阻んだ大越国の太宗・聖宗とか

ベトナム戦争の指導者ホー・チ・ミンでも良さそうなものである。

このゲームでのキャラクターは時代に定まったレギュレーションはないらしく

米国ではセオドア・ルーズベルトで、日本は北条時宗だったりする。

さらに時代をさかのぼるシュメール文明のギルガメシュもいるのだから

カオスな世界である。

米国だと、普通に考えて、ワシントンやリンカーンケネディが出てきそうだが

あえて「テディ」を出してきたのは、固有の文明が持つアジェンダ

棍棒外交」があるからだ。

日本の北条時宗も、ただ単に元寇の時の執権であったというだけで

業績だけでいえば北条時頼のほうが…と思ったりする。

それから、フビライ・ハンだが、これは正しい表記ではない。

モンゴルの皇帝は、単なる「カン(汗)」と「ハーン」または「カアン」

と名乗ることとされており、「カン」は部族の指導者を指す。

一方、「ハーン」はモンゴル全体の皇帝を指すため、どちらが上かは

明らかだ。フビライは、大元帝国の皇帝であり、モンゴル全体の指導者であった。

そのため、彼は紛れもなく「ハーン」なのである。

時代考証がどうなっているのかわからないが

結局はプレイヤーの腕次第。さてさてどうなることやら、楽しみである。

なお、日本語吹き替え版のガイドは東山奈央さんであることも付記しておく。

 

住みたい?住みたくない?注目集まる事故物件

事故物件という言葉が最近、知られるようになってきた。

事故物件とは、正式には「心理的瑕疵物件」というのだが

主に前の居住者が死亡するか、またはその物件で死亡事故や事件

孤独死などが起こった物件を言う。

この場合、不動産業者は次に借りる人に「重要告知事項」として知らせる義務がある。

(厳密にはいつまで、という決まりはない)

その「心理的瑕疵物件」を公示しているサイトで有名なのが

「大島てる」である。僕もこのサイトはよく見ていて、近所の事故物件を見たり

しているのだが、実際にあったものもあれば、真偽不明な情報もある。

www.oshimaland.co.jp

特に僕の中学校の母校で心霊現象があるとかいう情報があった。

ちょうど同窓会の役員をやっているので、役員会の時に

「こういうサイトにこんな書き込みがあるんですが、実際にあるのですか」

と聞いてみたところ、誰もが「知らない」と怪訝な顔をしていた。

それで、こういうサイトは玉石混淆なんだなあと思っていたのだが。

いろいろなところで大島てるが取り上げられ

代表の大島てる氏のサイトに対する考え方や運営方針を聞いたところで

不動産業者にしてみたら迷惑この上ないのかもしれないが

実際必要なサイトなんだろうと考え直した。

 

「事故物件住みます芸人」松原タニシさんが人気

 

その事故物件に、自ら住もうという芸人が現れた。松原タニシさんである。

何件もの事故物件に住み、その体験を話すというやり方は

オカルトファンから大きな支持を獲得し

「事故物件住みます芸人」としての地位を確立している。

2020年8月には、亀梨和也さんが主演となって映画「事故物件 恐い間取り」が

公開され、今や事故物件を知らない人は少数派であろう。


映画『事故物件 恐い間取り』【特報】8月28日(金)全国公開

ただ、事故物件とはいっても、住みたい人も一定数いるようで

「家賃が安い」「部屋が綺麗」と好評らしい。

実際住んでみると、心霊体験など発生したことがないという人が多い。

確かに、人が死んだ場所なんて探せばいくらでもあるわけだし

戦時中に大勢が亡くなった東京や沖縄などは逆にどこに住めばいいんだという

感じだろうし、災害で何千もの人が亡くなったところは今更気にしても…

という気持ちだろう。

 

自宅で心霊体験をするという怖さ

 

それでも、凄惨な殺人事件が起きたところはやはり気味が悪いし

自殺があったところは、怨念といおうか、負の感情が残ってそうな気もする。

タニシさんも、著書「怖い間取り」の中で、心霊体験について言及したり

酷い時は家に帰りたくなくなることもあったそうだ。

家に帰ると、不思議と気力が抜けて何もできなくなるのだという。

また、畳をめくると血痕がついていたり、洗面台の排水溝から髪の毛が出てきたりと

ずいぶんな体験である。

僕もホラーは好きなのだが、「恐い間取り」は読んでいて背筋が寒くなった。

生活圏そのものが曰くつきというのは、安置がない分おっかないものである。

人は、スイッチのオンオフがはっきりしている生き物で

生活圏では基本スイッチはオフ。そこへ何か妙な現象が起きたら…?

心臓麻痺でも起こして、自分が新たな事故物件を作り出すことになるかも。

ただ、この事故物件の問題はまちづくりにも一石を投じている。

大島てる氏はネット番組の中で

「人口は減っているのに物件はどんどん増えているわけですから

 ユーザー側が物件を選ぶことができる。事故物件の在り方も変わってくるのではないか」

と話しており、無尽蔵な物件供給にも警鐘を鳴らしているのはさすがといったところ。

単純に怖がるだけではなくて、コミュニティーの問題や都市計画と絡めた

社会的課題だと考えれば、見方も変わってくるかもしれない。

 

独裁者が転生?「帰ってきたムッソリーニ」が密かな人気

言わずと知れたファシスト党創始者・統帥ムッソリーニ

ヒトラーばかりが独裁者としては目立っているが

彼はムッソリーニに影響された部分が極めて多い。

ムッソリーニヒトラーに10年先立つ1922年に首相に就任

ヒトラームッソリーニの成功を見て、ミュンヘン一揆(失敗)

プロパガンダ政策を真似たことでも知られる。

ただイタリア自体がドイツに国力、軍事力ともに劣っていたことや

戦争途中で失脚したことなどが原因となって、詳細な業績はさほど知られていない。

ムッソリーニは結局、パルチザンに捕まり、銃殺された上に遺体を愛人の

クラレッタ・ペタッチとともにガソリンスタンドで吊るされたわけだが

そのムッソリーニが現代に転生したらどうなる?という映画

「帰ってきたムッソリーニ」が密かな人気となっている。

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ティザー画像

 

 

イタリアのルカ・ミニエーロ監督が「帰ってきたヒトラー」に着想を得て制作。

現代に転生したムッソリーニは、当然本人と思われず、そっくりさんだとして

テレビショーに見出され、持ち前のカリスマと演説力で

大きな人気を得ていくのであるが、最初は冗談で受けていたら

徐々に大衆の支持を得ていくのである。それこそが彼の狙いだと知らずに。

帰ってきたヒトラー」でもそうだったが、ムッソリーニでもオープンカーで

走って沿道の一般人から敬礼(イタリアでは手を高く掲げるローマ式敬礼

法律で禁止されている)されたり、実際に極右政党に乗り込んだりと

体を張った作品となっている。

ヒトラー」と違うのは、ムッソリーニの演説がかなりぼかされていること。

それから現在の政治家を批判しないこと(「ヒトラー」ではメルケル首相を「豚」と

呼び、社会民主党もルンペンとこき下ろしている)

脚本がそうなのか、わざとそうしているのかわからないが

実際のムッソリーニの演説と比べても、全く内容が入ってこない。

下記動画は実際のムッソリーニの対米宣戦布告の演説である。


【日本語字幕】ムッソリーニ演説 - 対米宣戦布告 1941 年 12 月 11 日

ただ、独裁者が転生して大衆の支持を得るというのは

現在の政治がいかに不信の塊となっているかを痛感する。

わが国でも、政治というと何かしら胡散臭いイメージがある。

本来なら政治こそが国家の要諦であり、人類の歴史そのものと言って

良いのであるが。「独裁」とは、その名の通り、特定の政党や指導者に

権力が集中する政治体制で、アフリカやタイで起こるようなクーデターでの

権力掌握や、選挙で一党が議会を独占する「一党独裁」という方法がある。

また、サウジアラビアのような絶対君主制も少数ながら現存している。

ドイツとイタリアでは、選挙での一党独裁を実現させた手法で

国民が独裁制を選んだ結果である。プロセスは民主主義的手順を踏んではいるが

独裁制は民主主義を否定するもので、いつの時代でも起こり得る結果だ。

 

独裁主義に支持する層が増えている?

 

しかし、「ヒトラー」も「ムッソリーニ」も観た上で言えば

大衆は一定数、現在の政治にうんざりし、独裁主義を支持していることだ。

わが国は独裁主義であったことはないし、対米戦中でも首相は3回変わっている。

ヒトラームッソリーニのような独裁者がわが国を治めていたら

どうなったであろうか。いろいろな可能性が考えられるであろう。

その一つの物語として、本作は参考になるのではないだろうか。


映画『帰ってきたムッソリーニ』予告編

 

本編はこちら

 

バイデン政権誕生、わが国は自分の道を行け

米国では、昨年行われた米国大統領選挙の結果を受けて

ジョー・バイデン氏(民主党)が第46代大統領に就任した。

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就任式に臨むジョー・バイデン氏(時事通信

ドナルド・トランプ大統領はこの就任式へは出席せず

ホワイトハウスの執務室に書簡を残したという。

今回の米国大統領選を巡っては、開票作業で多くの不正が行われた

という指摘がなされており、実際にテキサス州では選挙詐欺などの容疑で

逮捕者が出たこともある。

少なくない不正投票があったことは間違いない。

だが、いかにトランプ大統領が選挙で負けていないと証明できても

「大統領になったのはバイデン」なのである。

つまり、米国の選挙制度をつぶさに観察してみたところ

民主主義のお手本と考えられてきた米国のそれは

実に前時代的で、未発達で、不公平だったということである。

米国はそれで良いのである。なぜなら、かの国は必ずしも

「正しい選挙」を行ってきたわけではないからだ。

例えば、2000年の米国大統領選挙では、ジョージ・W・ブッシュ候補と

アル・ゴア候補の一騎打ちとなったが、当初アル・ゴア側に当確が出ていた

ものの、保守系メディアのFOXがブッシュ当確を出した途端

形勢が逆転されていった。フロリダ州の集計結果が余りに接戦だったため

再集計も行われたほか、ブッシュ当選の結果を不服としてゴア陣営が

連邦最高裁に訴訟を起こすまでに発展した。

この辺りの顛末はジャーナリストのマイケル・ムーアが詳述している。

21世紀に入ってからの米国大統領選は明らかに異常続きであった。

しかし、わが国としては、トランプ氏を再び大統領の座に戻すよりも

バイデン政権との付き合い方を考えるほうがより現実的である。

もし、バイデン政権が、対支政策についてわが国やASEAN諸国と

歩調を合わせてけん制を続ける、或いは対北へのより厳しい制裁措置を

取るならば、大幅な対米政策の転換はないだろう。

しかし、親支・親北政策に舵を切るならば、わが国としては

米国との同盟関係すら見直しが必要だ。

僕は「チート」とすらいえる米国の軍事力を利用しない手はないと考えている。

 

米国は必ずしも「親日」ではない

 

一方、同時に米国の「ドライさ」についても備える必要がある。

米国は同盟国であろうと、政策に違いが生じたら一気に切り捨てる

非情な側面を持っていることを忘れてはいけない。

確かに日米同盟は半世紀以上に及び、鉄壁とさえ言える。

しかし、1910~40年代の「黄禍論」に始まり

1980~90年代の「ジャパン・バッシング

など、必ずしもわが国の不利益を進んで行ってきたことも事実である。

それで通産省WTOで米国と紛争ばかりしてきたのだが

残念ながらあまり取り上げられることはない。

従って、このバイデン政権が必ずしもわが国にとって利益に成り得るかは

どちらとも言えないであろう、これは同志社大学助教の松本明日香氏の

分析と同意である。

www.ide.go.jp

わが国が取るべき道は、過度な米国依存を止め

この武漢肺炎(新型コロナウイルス)禍により得た

教訓、即ちグローバリズムの縮小である。

確かに他国とのアライアンスは必要だ。対支包囲網はその典型であろう。

だが、それで友好国だからといって全てを提供するようでは国家として終わりだ。

わが国はどこの指図も受けない。わが国の道を進むべきだ。

 

 

阪神淡路大震災から26年、東日本が学んだこと

本日は、阪神淡路大震災の発生より26年を迎えた。

この戦後未曾有の都市直下型地震では

兵庫県大阪府京都府で6434人の尊い命が失われ

家屋被害も10万棟以上が全壊という、凄まじい被害が生じた。

写真等でも、高速道路の高架橋が倒れていたり

ビルが横倒しになっている光景は実に衝撃的だった。

改めて追悼の意を表したい。

 

東日本大震災で生かされた教訓

 

さて、この大震災から16年後、今度は東日本大震災で東北各地は

甚大な被害を被るのだが、阪神淡路大震災からの教訓は生かされていた。

実は、東日本大震災の到来はずっと予測されていて

「近いうちに来るのは間違いない」と考えていた人が多かったのである。

そこで進んだのが、建築基準法への備えであった。

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倒壊した神戸市内のビル(内閣府防災HP)

阪神淡路大震災で建物被害が多かったのは、1981年の建築基準法改正後

新耐震基準に移行した建物が少なかったためと指摘されている。

東日本大震災では、全壊判定を受けた建物が決して少なくはなかったが

阪神淡路大震災のように、建物の倒壊による死者は極めて少ない。

1万5786人のほとんどが、津波による水死であると発表されている。

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東日本大震災でベランダ部分が剥離した仙台市内のアパート

もちろん、地震の規模も強さも違うから一概には比べられないが

震度6強仙台市でも、よく倒壊した建物が少なかったと

正直驚くほど強い揺れで、しかも長かった。

震災後、オフィスも住宅も需要は新耐震基準に合ったものかどうかが

必死条件だと聞く。今や被災地は「防災都市」としての発信を行っている。

 

復興後のまちづくりは未来を見据えて

 

復興についても、阪神淡路大震災を教訓としている。

宮城県では、「創造的復興」を掲げ震災前に戻す復旧ではなく

時代に合わせて進化するまちづくりを行っている。

相変わらず人口は仙台市一極集中だが、県内各市町ではそれぞれのカラーを出した

復興を行っており、観光振興にも一役買っているのはおもしろい。

ここ数年、自然災害はその強さを増しており、防災はわが国にとって

焦眉の急といえる。地震だけではない、台風や大雨、大雪もそうであろう。

大規模災害を完全に抑え込むのは不可能である。だからこそ、我々は災害が

起こるたびに改善を重ねていき、「減災」の度合いを高めていくのだ。

わが国には素晴らしい専門家や技術者、企業や民間団体がある。

スーパーボランティアという言葉も、わが国の国民性を表している。

国民一丸となって防災に取り組めば、災害が起きても

被害を最小限に抑えることができ、復旧作業が迅速に行えるであろう。

そのためには、国が普段から民間の取り組みをしっかりバックアップしていくことが

必要になってくる。

 

 

原発事故を生々しく描くドラマ「チェルノブイリ」

世間がやれ、トランプの緊急放送だの

PCRは茶番だの意味不明なトレンドに踊っている間

僕は今進んでいる選挙の分析を行っている。

例えば、山形県知事選では初の女性候補同士の激突。

非常に興味深く見ている。

 

ドラマ「チェルノブイリ」が興味深い

 

それから、ちょっと注目していた米国ドラマ「チェルノブイリ」を見ている。

2019年制作、ゴールデングローブ賞作品賞、助演男優賞などを受賞し

極めて評価の高いドラマである。

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ティザー画像。除染作業の様子が生々しい

作品名のごとく、1986年4月に発生したソ連チェルノブイリ発電所爆発事故を

取り扱ったドラマで、発電所職員、専門家、住民、救助に当たった消防・赤軍

それぞれの視点からこの事件にどう当たっていたかを生々しく描いている。

例えば、チェルノブイリ原発が爆発した際、消火のために消防隊員が駆け付けたが

誤って黒鉛を拾ってしまった隊員があっという間に放射線火傷してしまったり

放射線濃度が高いにも関わらず、建屋の屋根に登ろうとするなどする。

原発の町であるプリピャチの住民もさほど大きい事故ととらえておらず

まちの近くにあった鉄橋から火事を見物するのだが

この鉄橋で見物した人は間もなく全員が死亡、「死の橋」と呼ばれるなど

放射能の危険性が十分に知られていなかった。

当時の共産党書記長はミハイル・ゴルバチョフ開明的で若きリーダーは

クルチャトフ原発副所長のワシーリー・レガソフとボリス・シチェルビナ副議長を

現場に派遣。事故の収束と原因解明に当たらせる。

根っからの科学者のレガソフと、炭鉱出身のたたき上げ党員であるシチェルビナは

当初、事故解明の方針と住民の避難を優先させるかどうかで対立する。

現場に入った二人。レガソフは、シチェルビナに「既に我々は被爆していること」

を伝えた上で、真摯に事故原因を解明しようとする姿にシチェルビナの態度は徐々に軟化し

二人は協力しながら調査に当たるも、意図せずソ連の根幹に迫ってしまうのだった。


DVD【予告編】「チェルノブイリ ーCHERNOBYLー」3.4レンタル開始

 

ジワジワと壊されていく人体…被爆の恐ろしさ

 

全部見終わったのだが…何というか、非常にショッキングな映像が多かった。

高濃度の放射線を浴びてしまうと、人体は細胞の設計図である染色体が崩壊し

新しい細胞が作られなくなってしまう。

だから新しい皮膚も作られなくなり、白血球も著しく減少する。

そのため、細菌やウイルスを防御することができなくなるだけでなく

臓器も破壊される。これがゆっくりと進行していくから想像を絶する苦痛を生じる。

最初は元気だった原発職員や消防隊員が段々と弱っていき

原型をとどめないほど人体が崩壊していく様子も描いているのだ。

東海村原子力事故も酷かったが、描写のグロさはよりショックだ。

 

秘密国家ソビエト連邦

 

それからソ連特有の秘密主義である。当初、ソ連当局は事故そのものを

隠ぺいしていたが、遠く離れたスウェーデンでも高い放射性物質が検出され

その照会を受けたことから原発事故を認めざるを得なかった。

また、責任を逃れたい一心でチェルノブイリ原発の所長、技師長、副技師長が

事故の程度を過少に報告していた上に、中止を通告されていた実験を強行した

ことから、それも問題になった。

しかし、最大の問題は、実は原発の構造的欠陥にあった。

とはいえ、これを公表するとソ連共産党を批判することに繋がる。

そんなクソ原発を選んだ共産党の誤りを認めることになるからだ。

レガゾフは、KGBの圧力を受けながら、それを発表するのだろうか。

 

本作では、原発事故の悲惨さはもちろん、無知ゆえに起こる二次災害

ソ連官僚主義の弊害が描かれていて、とても興味深い。

つまりリスクマネジメントの「ダメな例」が全て描かれているのだ。

本当に残酷で、恐ろしいのであるが、勉強になる作品だ。

 

チェルブイリ公式サイト

www.star-ch.jp