白雉日報社公式ブログ

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原発事故を生々しく描くドラマ「チェルノブイリ」

世間がやれ、トランプの緊急放送だの

PCRは茶番だの意味不明なトレンドに踊っている間

僕は今進んでいる選挙の分析を行っている。

例えば、山形県知事選では初の女性候補同士の激突。

非常に興味深く見ている。

 

ドラマ「チェルノブイリ」が興味深い

 

それから、ちょっと注目していた米国ドラマ「チェルノブイリ」を見ている。

2019年制作、ゴールデングローブ賞作品賞、助演男優賞などを受賞し

極めて評価の高いドラマである。

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ティザー画像。除染作業の様子が生々しい

作品名のごとく、1986年4月に発生したソ連チェルノブイリ発電所爆発事故を

取り扱ったドラマで、発電所職員、専門家、住民、救助に当たった消防・赤軍

それぞれの視点からこの事件にどう当たっていたかを生々しく描いている。

例えば、チェルノブイリ原発が爆発した際、消火のために消防隊員が駆け付けたが

誤って黒鉛を拾ってしまった隊員があっという間に放射線火傷してしまったり

放射線濃度が高いにも関わらず、建屋の屋根に登ろうとするなどする。

原発の町であるプリピャチの住民もさほど大きい事故ととらえておらず

まちの近くにあった鉄橋から火事を見物するのだが

この鉄橋で見物した人は間もなく全員が死亡、「死の橋」と呼ばれるなど

放射能の危険性が十分に知られていなかった。

当時の共産党書記長はミハイル・ゴルバチョフ開明的で若きリーダーは

クルチャトフ原発副所長のワシーリー・レガソフとボリス・シチェルビナ副議長を

現場に派遣。事故の収束と原因解明に当たらせる。

根っからの科学者のレガソフと、炭鉱出身のたたき上げ党員であるシチェルビナは

当初、事故解明の方針と住民の避難を優先させるかどうかで対立する。

現場に入った二人。レガソフは、シチェルビナに「既に我々は被爆していること」

を伝えた上で、真摯に事故原因を解明しようとする姿にシチェルビナの態度は徐々に軟化し

二人は協力しながら調査に当たるも、意図せずソ連の根幹に迫ってしまうのだった。


DVD【予告編】「チェルノブイリ ーCHERNOBYLー」3.4レンタル開始

 

ジワジワと壊されていく人体…被爆の恐ろしさ

 

全部見終わったのだが…何というか、非常にショッキングな映像が多かった。

高濃度の放射線を浴びてしまうと、人体は細胞の設計図である染色体が崩壊し

新しい細胞が作られなくなってしまう。

だから新しい皮膚も作られなくなり、白血球も著しく減少する。

そのため、細菌やウイルスを防御することができなくなるだけでなく

臓器も破壊される。これがゆっくりと進行していくから想像を絶する苦痛を生じる。

最初は元気だった原発職員や消防隊員が段々と弱っていき

原型をとどめないほど人体が崩壊していく様子も描いているのだ。

東海村原子力事故も酷かったが、描写のグロさはよりショックだ。

 

秘密国家ソビエト連邦

 

それからソ連特有の秘密主義である。当初、ソ連当局は事故そのものを

隠ぺいしていたが、遠く離れたスウェーデンでも高い放射性物質が検出され

その照会を受けたことから原発事故を認めざるを得なかった。

また、責任を逃れたい一心でチェルノブイリ原発の所長、技師長、副技師長が

事故の程度を過少に報告していた上に、中止を通告されていた実験を強行した

ことから、それも問題になった。

しかし、最大の問題は、実は原発の構造的欠陥にあった。

とはいえ、これを公表するとソ連共産党を批判することに繋がる。

そんなクソ原発を選んだ共産党の誤りを認めることになるからだ。

レガゾフは、KGBの圧力を受けながら、それを発表するのだろうか。

 

本作では、原発事故の悲惨さはもちろん、無知ゆえに起こる二次災害

ソ連官僚主義の弊害が描かれていて、とても興味深い。

つまりリスクマネジメントの「ダメな例」が全て描かれているのだ。

本当に残酷で、恐ろしいのであるが、勉強になる作品だ。

 

チェルブイリ公式サイト

www.star-ch.jp