和歌の聖地、名月スポットは塩竃・松島へ
本日から9月に入り、いよいよ夏の終わりも迫ってきた。
暦の上ではとっくに秋なのだが、現代の季節はまったくもって
天候不順で季節感を感じる機会が本当に少なかった。
景色に感動した歌人
秋といえば、やはり月である。秋の季語はまさに月で
僕の好きな和歌も秋のものが多い。
公家の藤原清輔(1104~1177)は、我が宮城県の塩竃に関する歌も残している。
その中の一首はとても素晴らしいのでご紹介する。
「塩竃の湾内に吹く風で霧が晴れて、大小さまざまな島々を照らし出す月影よ」
という意味であるが、古代から塩竃や松島には多くの歌人がやってきて
その景色の素晴らしさを歌に残している「聖地」なのである。
実際塩竃湾から松島に向けてクルーズが行われているが
そのほかにも浦戸諸島などの離島に向けた玄関口でもあり
多くのさまざまな形をした島々を見ることができる。
すぐ隣は、松島町であり、その松島町には観月橋というスポットがあり
昔は観月スポットだったようである。
昔は大勢の歌人がやってきて月を見たことであろうと考えると
何とも歴史ロマンを感じるではないか。
このように、夏には夏の、秋には秋の楽しみ方が多くある。
それはわが国ならではの自然が生み出した芸術であろう。
普段、なかなかストレスがたまりやすい現代社会だが
ちょっと立ち止まり、自然の素晴らしさに触れることも
必要なのではないだろうか。