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コンテンツ産業横ばいも、配信サービス急成長

当社では長年にわたりコンテンツ産業の現状について分析し
その現状と展望を読者の皆さまにお知らせしてきた。
ここで、2014年のコンテンツ産業について振り返ってみよう。
経産省が12月に公表した「コンテンツ産業の現状の現状と今後の発展の可能性」を見てみると
コンテンツ産業の市場規模は約12兆円で、米国に次ぐ世界第二位の規模。
最も大きいのは、テレビ放送・関連サービスで約3.5兆円となっている。
大きな変動はなく、横ばい状態が続く。
わが国のコンテンツ産業は、世界的に大きな人気が続いており
フランスで行われた「JAPAN EXPO」では13年の入場者数が
過去最大の約23万人。
また、米国で行われた「Anime EXPO」では、13年の入場者数が
延べ16万人超となっており、アニメ・コミックなどの人気が好調だ。
ただ、海外販売展開は大きく落ち込んでいる。
日本制作のアニメ海外販売売り上げは、05年、06年のおよそ310億円をピークに下降を続け
12年は半分以下の144億円となっている。
13年は169億円と上昇しているが、依然としてピーク時より半分近くの状態である。



これを受けて、わが国政府では6月24日「日本再興戦略」を閣議決定
その中で「放送コンテンツの継続的放送と連携して周辺産業の海外展開につなげる」
「国際的な情報発信力の強化を図るべく、海外において発信力・影響力のある人の招へい、展示会場の新設・拡張の促進を行う」
などとしている*1


わが国では、コンテンツ産業を重要産業の一つとして
「クールジャパン戦略」を策定しており
13年には官民ファンド「クール・ジャパン推進機構」を設立した。
14年10月には、株式会社バンダイナムコホールディングス、株式会社アサツー・ディ・ケイ
株式会社アニプレックスが新会社「株式会社アニメコンソーシアムジャパン」を設立
すでに事業展開している、DAISUKI株式会社と統合することを発表した*2
クールジャパン機構は、この統合後の新会社に10億円を出資するという。
アニメコンソーシアムジャパンは、海外に対してアニメ作品の配信を行い
関連商品やデジタルコンテンツの販売も行う予定だ。
統合は14年末を予定している。


これは、大きな好機といえる。というのは、わが国のコンテンツ産業市場は確かに横ばいが続いているが
アニメ配信に関して言えば、12年の売り上げが297億円と
過去最高を記録したからである*3
11月には、海外アニメ配信会社クランチロールの有料会員数が40万人を突破
好調に推移している*4
株式会社ドワンゴによると、ニコニコ動画のプレミアム会員数が14年9月末現在で
236万人と、これまた大きく成長しているのだ*5
依然としてテレビ放送のマーケットは大きいが
配信サービスの急成長は、テレビ放送市場を脅かす可能性がある。
アニメ業界も、イノベーションによる業界全体の成長を行う必要があるだろう。
15年は、新しいビジネスチャンスをいかに広げるかにかかっていると予想される。

*1:コンテンツ産業の現状の現状と今後の発展の可能性http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/downloadfiles/1412_shokanjikou.pdf

*2:正規版日本アニメの海外向け動画配信およびEC 事業へ出資http://www.cj-fund.co.jp/files/press_141030-1.pdf

*3:日本動画協会「日本のアニメ業界・市場の動向 2013年版」http://www.aja.gr.jp/data/doc/2013sangyoudoukou.pdf

*4:海外向け日本アニメ配信のクランチロール 有料会員が40万人突破、1年半で倍にhttp://animeanime.jp/article/2014/11/22/20950.html

*5:http://thestartup.jp/?p=13240