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ネパールのプラチャンダ首相が辞任することを固めたという報道があった。
小さいニュースな気もするが、実は面白い側面もある。
このプラチャンダ首相というのは、ネパールの元過激派組織で
今や連立与党の一員でありつつも、ネパールの王制を打倒した
ネパール共産党毛沢東派の議長なのだ。
なぜ辞任なのかというと、このプラチャンダというのが以前
毛派の介入に反対する陸軍参謀総長を解任した。
まぁ、それまでは敵対してたのに急に上司にいたって話なんだから
そりゃ受け入れがたいわな。
で、他の政党が一斉に反発したわけだ。プラチャンダはこの反発を受けて
解任を取り消したものの、やっぱ溝は深まるばかりで
抗議の意味でも辞めようと、こういうわけだ。
なぜかというと、ネパールには共産主義政党がたくさんある。
日本の新左翼とか見れば一目瞭然だが、共産主義者ってのは
どういうわけか集まれば確実に分裂する。
毛派は、武装闘争を展開する一番過激な政党だった。
だから過激派とも呼ばれていたんだよ。もちろん合法的な共産党はあるわけで
元々のネパール統一共産党は共産主義だけど穏健派。
日本共産党における代々木系と反代々木みたいなもんだよね。
だから、ネパール統一共産党は、過激派である毛派と対立しているわけだ。
ちなみに、共産党は毛沢東派のほかにもマルクス・レーニン派もある。
これも過激派で、このML派は毛派とは当然対立している。
野党第一党のネパール会議派は、社会民主主義の政党で
日本でいう旧社会党と同じ立ち位置。だから共産主義ではないが
左派という面では共闘関係にある。
これらからわかる通り、なぜか急に国を挙げて共産主義国家になってしまった。
こんな状況で、王制が続くわけがない。
はっきり言いたいんだが、こんな内ゲバばっかりやっているような政党は
また有象無象に分裂したりして
結局のところ、プロレタリア独裁を行うことは火を見るより明らかだ。
そんで民衆の支持を失って、また王党派の国民民主党が息を吹き返すと思いますが。
しかし今時共産主義っすかwwww