小沢幹事長をバッサリやった韓非子
民主党の小沢幹事長を刑事責任に問えるかどうかの問題で
東京地検特捜部が、小沢氏を不起訴の方針で固めたとの報道がある。
これには、当然必要となる逮捕された3人の秘書
とりわけ、石川容疑者から積極的な証言を引き出す必要があるが
石川容疑者は「小沢さんを裏切ることはできない」とのことで
罪を丸かぶりしていく方針を鮮明にしている。
小沢氏への立件には、今ひとつ証拠が決め手に欠けるというのが
一番の理由だ。記者会見で配布した文書が偽造だとしても
ゼネコンからの献金を小沢事務所で受け取ったとしても
秘書がやりました、で政治家は何もお咎めなし。
この大罪を、韓非子は見事にバッサリやってくれている。
『韓非子第一冊』の「孤憤第十一」にこう書いてある。
「大臣は愚汚の人を挟み、上はこれと与に主を欺き、下はこれと与に利を収めて侵漁し
朋党比周して労辱せしむ。此れ大罪なり。臣に大罪あるに、主は禁ぜず。
此れ大失なり。其の主をして上に大失有り、臣をして下に大罪有らしめば
国の亡びざらんことを索むるも、得べからざるなり」
意訳するとこうだ。
「大臣は、愚かで悪人ばかりを従えて、この者たちと共に上は君主を欺き
下は私服を肥やして利益をむさぼり、党派を組んで、国に大きな苦労と辱めを
もたらす。これは臣下の大罪である。臣下に大罪あるにもかかわらず
君主はこれを制御しようとしないのは、大きな過失である。
主君に大きな過失があり、臣下に大罪があるというのでは
国が亡びないように模索したところで、それは不可能というものである。」
日本には恐れ多くも天皇陛下がおわすが、しかし主権は国民にあるので
この「君主」というのは、現代においては国民を指す。
小沢氏問題のみならず、政治とカネをめぐる問題では
我々国民も、決してこれらを許してはならないのである。
基本的なことのようだが、最も大事なことであって
韓非子はこのように、現代にも通用するのである。