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宮城の地方財閥とは

さて先日、「週刊ダイヤモンド」に各地域の地方財閥について
特集記事が組まれていた。
非常に興味深かったので、おすすめしたい。


宮城県については、河北新報グループの一力家、七十七銀行の氏家家が
取り上げられており、非常に正確な内容であった。
例えば、河北新報社の一力雅彦社長は言わずもがなであるが
弟の一力敦彦氏は東北放送などの社長を務め
宮城のメディア業界においてはトップに君臨する有力者である。
また、氏家家についても、現在は氏家照彦氏が頭取となっており
創業者一族による経営が行われている。
ところで、七十七銀行については、同族経営というより
学閥や地元経済界との兼ね合いが強い。
というのも、七十七銀行が創業者一族の経営に戻ったのは
実に7代前の氏家栄一氏以来30年ぶりなのである。
そして、その頭取経験者は仙台商工会議所会頭に就任する慣例となっている。
現在の鎌田宏会頭も七十七銀行頭取であった。


一方、代々仙台の財界の重鎮として知られてきたのが、伊澤家である。
仙台藩御用蔵として、酒造で財を成した伊澤家は、広大な土地を所有し
現在は、仙台勝山館を運営する勝山企業、学校法人勝山学園など
多角的企業グループとして知られている。
また、河北新報の一力家の次に位置づけられているメディアの重鎮といえば
今野家である。今野印刷、「S-stile」などを発行するプレスアート仙台シティエフエム、ユーメディア
などを経営する今野家の当主は、今野敦之氏。宮城県中小企業団体中央会会長でもある。
さらに、宮城県の総合商社であるカメイを経営する亀井家も有名であろう。
現在は亀井文行氏が社長を務めているが、仙台トヨペット、東北ガスなどさまざまな業種を
傘下に置き、亀井文蔵氏や、亀井昭伍氏によるコレクションを展示するカメイ美術館も運営している。


これら老舗の財閥に割って入ったのが
アイリスオーヤマの大山家である。大阪出身で大山健太郎氏はもともと朝鮮人であったが
日本に帰化、その後父から引継いだ大山ブロー工業をアイリスオーヤマに商号を変更し
ペット、生活用品などを製造、販売しているほか
ホームセンターダイシンを買収するなど、急激に成長を続けている。
「出る杭をみんなで打ちまくる」のが仙台らしさであるが
気づいた時には「出すぎていて打てなくなった」のがアイリスオーヤマの特徴といえる。


これら地方財閥の存在は、古くからの企業にとっては
ビジネスをスムーズに行う上でとても有効に作用する。
しかし、変革に取り組む上で、その弊害は予想以上に大きいことがままある。
地方財閥の良さを引き立てつつ、いかに新しいビジネスを取り入れるかが
この人口減の時代を生き残るヒントとなるのではないだろうか。