狙われる郷土の偉人。断固死守を
米国を中心に、世界中で偉人の像に対する破壊行為が相次いでいる。
発端は、米国において黒人男性が長時間白人警官に喉を押さえつけられ
死亡したというもので、活動家らが「黒人の命は大切」を
スローガンに、世界各地で抗議デモを展開、中にはデモ隊が暴徒化し
店舗への略奪・破壊行為や、一部地域の占拠行為を行っている。
その光景たるや、まさに無法地帯の如しである。
現在の価値観で断罪する愚かさ
6月7日、英国ブリストルでは奴隷商人であり、政治家・慈善活動家でもあった
エドワード・コルストンの銅像が引き倒され、川に投げ落とされた。
https://www.afpbb.com/articles/-/3287079
奴隷商人であったことが理由とされ、それによりアフリカ系活動家により
餌食にされたものと見られている。
さらに英国では、第二次世界大戦の英国首相ウインストン・チャーチルの
銅像を撤去するべきという運動も展開している。
人種差別主義者だから、というのがその理由だが
植民地を持つ列強は全て行っていたのであり
殆ど全ての政治家が人種差別主義者になるだろう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200613/k10012469201000.html
一方、米国ミネソタ州では先住民族活動家が、探検家として有名な
クリストファー・コロンブスの銅像を引き倒した。
米大陸先住民の虐殺を行ったためという。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/post-93651.php
さらに、ガーナではインドの政治家・マハトマ・ガンジーの銅像が撤去された。
人種差別的な発言を行ったためと複数のメディアは報じている。
偉大な調停者、独立運動家も活動家の手に掛かれば
大罪人なのである。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/12/post-11454.php
先人なくして今の我々はいない
実にバカげたことだ、と鼻で笑うのは簡単だが
由々しき事態であるし、許されるべき行為ではない。
そもそも現在の価値観で、当時の所業を断罪することほど
愚かなことはない。ましてや何世紀も前の話である。
全て完璧な聖人君子というものは歴史上存在しないのだ。
ユダヤ人に差別的であったし、ムハンマドも戦争主義者といわれても
致し方ない。
戦争屋であって、民衆を苦しめた独裁者という誹りを逃れられぬであろう。
わが国で中世・近世は、下剋上の時代であり、天下取りのためには多くの人が
戦地に赴いた。兵士の中には金で雇われたり、戦利品が目的であったり
中には徴兵されて嫌々行ったものもいたであろう。
しかし、当時はそれが常識だったのである。例え雑兵であっても
大きな手柄を立てれば武将に取り立てられ、うまくすれば領主に
なれるかもしれない。当時の下級武士は「知行取り」つまり領地を持つことが
夢であった。
現在では、当然手柄のために戦に出ようなんて考えは起こり得ない。
つまり、現在の価値観を中近世に当てはめることは、現代人のエゴに過ぎないのだ。
それを理解している我々は、決して郷土の偉人の銅像を壊すことはしない。
仙台藩祖・伊達政宗公も多くの人を殺した。彼の生きた時代では当たり前だからである。
しかし、今の仙台の礎を築いたのは政宗公であり、それを顕彰することに
反対など起ころうはずがない。
エドワード・コルストンも奴隷商人であったが、同時にブリストルのまちを
繁栄に導いた偉人ではなかったのか。
愚かな活動家の言いがかりに負けず、郷土の人々は偉人を守るべきだ。
先人がいなければ、私たちの今もなかった。もし、自分の郷土を
誇りに思っているなら、偉人の名誉を汚されることを恥と思うべきである。