はやぶさ事件始末記(民事訴訟判決言い渡し編)
すべての迷いを振り払って、法廷闘争と警察も動き出しました。
いわゆる「はやぶさ事件」は、私の中で大きな転換点を迎え
ここからさらに数年にわたる長い闘いがスタートしたのです。
民事裁判では、「第〇回期日」という言い方をして
その都度書面を提出し、それに対して反論を行う…というのは以前述べました。
私の代理人弁護士T先生は、それはもう何回も裁判所に足を運び
細かく反論書や意見書を雨あられと書いてくださいました。
本当にありがたいと思っています。
素晴らしい弁護士というのは、サービス精神が旺盛で
「何でもやりますよ!これは絶対勝ちますよ!」とかいうのではありません。
よく「国が認めた借金減額法」とか、「報酬は完全成功報酬です!」
なんて言って宣伝している弁護士がいますが
まず裏があると言っていいでしょう。実は別途費用が掛かるとか
その弁護士の評判が悪すぎて、真っ当な顧客がつかないとか
そういうケースがあるでしょう。
私の友人の弁護士は、「名誉棄損は金にならないし、変な客が多いから受けねえ」と
公言するほどで、個人の民事訴訟はあまり儲からないのです。
企業の顧問弁護士や、経済事件、相続関係などはいい稼ぎになるようです。
閑話休題。
この訴訟は私はかなり気を付けたことがありました。
党から何ら金銭的支援を得なかったことです。
むしろ党からは関わらないでくれと要請したほどです。
なぜなら、党が関わるとどうしても党との利害関係が発生し
私の思ったとおりの法廷闘争ができなくなるかもしれない。
しかも、党が関わることにより、私が公人扱いになる可能性があります。
公人になると、テレビやネットで自身の政治思想や考えを発信するわけですから
ある程度の批判は甘受しなければなりません。
賠償金が大幅に減額されていることからも、公人が不利であることは明白です。
ですから、私はあくまで個人にこだわり続けました。今はそれが正解だったと思います。
民事訴訟の進め方
さて、民事裁判というのは極めて時間がかかります。
つまり、訴訟を提起してから第一回期日まで最低1か月、第二回期日まで
さらに1か月、第三回期日までさらに1か月。ここで結審したとしても
判決言い渡しまでさらに1か月、判決確定までさらに2週間
賠償金回収までさらにかかります。まさに「忘れたころに結果が来る」
という具合で、代理人弁護士のT先生からの連絡で「あ、今日期日だったわ」と
思い出したりする時もありました。
それは刑事も同じことで、本当に忘れたころに連絡が来るのです。
ですからT先生も私と打ち合わせをするたびに
「検察からは何か連絡ありましたか?」と聞かれました。
既に警察から名誉棄損で書類送検されていたのですが
それからの動きがよく分からない。
そうこうしているうちに、検察庁から封書が来ました。
中には処分通知書と書かれた紙。
「立川支部に移送する」
の一言だけ書かれていました。
これは、どういうことか。意味がわかりませんでした。
後で聞いてみたところ
立川支部に書類を転送し、そこの検察官が捜査に当たるということです。
それは、処分なのか…?と疑問を抱きつつも、捜査が進んでいることに
とりあえずはホッとしました。
しかし、被告である党員Aの陣営では、思わぬことが起きていたのです。