■
先日、成田空港でFeDexことフェデラル・エクスプレス社の貨物機が
着陸に失敗し、横転して炎上し、乗務員2名が死亡した事故で
着陸失敗の原因にウィンドシアが大きく関係していることがわかった。
ウィンドシアは、極めて強い、突風のことをいい
時に予想を遥かに超える風力を記録することがあり、実際それに関する
事件も起こっている。
95年、アメリカン航空1572便はシカゴのオヘア空港を離陸し
コネチカットのブラッドレー国際空港を目指した。
ブラッドレー到着までは、乱気流を避けるため3万3000フィートを
航行し、概ね平穏なフライトを続けていたが
ブラッドレーへの着陸が許可され、さらにウィンド・シアの情報を受け取っていた。
その頃、地上では30マイルもの強風にさらされ、管制塔のガラスが割れるなど
とてつもない強風が吹いていた。
1572便は着陸を開始したが、滑走路上空で左にそれ、ついで右に左に揺れた。
同機はすぐにゴー・アラウンドを開始、ILSアンテナと接触しながら目前にある滑走路に
叩きつけられるように着陸した。
死者はなく、怪我人が1人出ただけだった。
また、1985年8月2日、デルタ航空191便は、ハリウッドからダラス・フォートワース
に向かっていたが、最終進入に入ったあたりにウィンドシアに遭遇した。
滑走路端6300フォートの地点で、低高度のマイクロ・バーストに遭い
それが発達してウィンド・シアとなった。
高度1000フィートで同機はウィンド・シアに突入したが
バランスを失い滑走路の手前で墜落。地面を滑走して
2つの貯水タンクに激突。大破炎上した。
まだまだウィンドシアに対する機械系の対策は
進められていないが、ウィンドシアの訓練を受けていれば
後者の場合、惨事を避けることは可能だった。
ボイスレコーダーでは、どのように対応したのだろうか。