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狼と香辛料
これは今やっているアニメだが、これがまた勉強になる。
このアニメほど初期貨幣経済について明快に説明できるものはないよ。
紙幣を使わないところが、またよくわかってらっしゃる。


銀貨というのは、中世ヨーロッパでは自由鋳造、自由融解で
銀さえありゃ、誰でも作ることができた。
もちろん、そこらの人が作れるわけじゃなくて、必要なのは
銀貨を生産・流通させる権力だ。この銀何枚でどれだけの価値があるのか
主に銀貨の価値というのは、銀の価値に比例するもので、これを銀本位制という。
価格革命というのは、スペイン王国が新大陸でポトシ銀山という超大規模な銀山を
発見してしまったため、銀の価値が大きく下落してしまい、そのため銀貨の価値も
かなり下がったことだ。
逆に、不足になると価値が高くなる。そうすると、流通しにくくなり
経済が滞ってしまう。
江戸幕府は天保通宝というのを作ったが、これの純度が
極めて悪かった。結局純度が悪いということは、本当はそんなに値打ちがないのに
あたかも高いかに見せかけているわけだから誰も欲しがらない。
それに偽造もしやすいというわけで、経済は混乱するわけだ。


アニメでも言っていた、通貨切り上げとか何とかってのはこういうことだ。
例えば、A銀貨とB銀貨の交換レートが1:10だとして
A銀貨の価値が上がったとする。すると、この交換レートは変えたほうが
いいんじゃないかとなる。
それで例えば、1:5とか1:7とかになると、これが通貨の切り上げなのだ。
従って、A銀貨の切り上げが行われるということになったら
B銀貨を売り、A銀貨を大急ぎでかき集め、切り上げが行われれば
B銀貨よりA銀貨で支払いをすれば、かなり割安になるわけ。



ところで
貨幣というのは、まぁお金のことだが
じゃあ1万円札とか、あんな紙切れを何であんなに大事にするかというと
日本国が1万円の価値があるんだと保証しているから。
昔、金や銀を預かる人がいて、その預り証を交付したのが紙幣の始まりといわれている。
預り証があれば、その分の金と銀を引き出せるというわけで
同じ価値を持つようになった。
だけど、金とか銀とかって重くて盗まれるで大変だし持ち歩くの面倒だ。
それで金とか銀を引き出しにくる人は段々いなくなってしまった。
そう簡単に自分が預かっている金銀がなくなる心配がなくなった商人は
預り証を作って、実際は預けていない人にも貸し付けるようになった。
それが銀行業務の始まりといわれている。
だから、今でも日本全国の人が預金を引き出そうとすれば銀行は取り付け騒ぎといって
残高がなくなって、あっという間に潰れてしまうわけだ。