10年度版・全国地銀の時価総額ランキング
もうこのランキングも3年目。
全国にある地銀・第二地銀のうち、株式上場しているものについて
時価総額を一覧にしちまおうという試み。
地域に根ざした地銀の時価総額は、その業績に影響し地域経済の指標という
側面もあるが、その地銀のテリトリーというのが
新たな広がりを見せつつある。
今回は、ランキングをつけつつ、その結果を公表したい。
カッコ内の数字は前年比(09年2月10日)を表している。
1位(前2) 横浜銀行 5,852億円(▲220 ▲3.6%)
2位(前1) 静岡銀行 5,697億円(▲410 ▲6.7%)
3位(前同) 千葉銀行 4,791億円(386 8.0%)
4位(前同) 常陽銀行 3,124億円(▲756 ▲19.4%)
5位(前6) 京都銀行 2,984億円(▲207 ▲6.4%)
6位(前7) 中国銀行 2,717億円(▲110 ▲3.9%)
7位(前8) 八十二銀行 2,660億円(▲48 ▲1.7%)
8位(前5) 伊予銀行 2,583億円(▲865 ▲25.1%)
9位(前9) 群馬銀行 2,380億円(▲158 ▲6.2%)
10位(前11)広島銀行 2,351億円(69 3.0%)
11位(前14) あおぞら銀行 2,277億円(512 29.0%)
12位(前10) 新生銀行 2,183億円(▲103 ▲4.5%)
13位(前12) スルガ銀行 2,031億円(135 7.1%)
14位(前15) 西日本シティ銀行 2,007億円(342 20.5%)
15位(前13) 七十七銀行 1,870億円(115 6.5%)
16位(前20) 滋賀銀行 1,475億円(100 7.2%)
17位(前17) 南都銀行 1,397億円(▲11 ▲0.7%)
18位(前16) 鹿児島銀行 1,325億円(▲105 ▲7.3%)
19位(前19) 十六銀行 1,295億円(▲84 ▲6.0%)
20位(前27) 山陰合同銀行 1,257億円(79 6.7%)
21位(前24) 京葉銀行 1,218億円(▲76 ▲5.8%)
22位(前22) 阿波銀行 1,205億円(▲109 ▲8.2%)
23位(前18) 第四銀行 1,139億円(▲256 ▲18.3%)
24位(前26) 肥後銀行 1,138億円(▲143 ▲11.1%)
25位(前29) 北國銀行 1,122億円(24 2.1%)
26位(前23) 大垣共立銀行 1,102億円(▲192 ▲14.8%)
27位(前25) 百五銀行 1,065億円(▲228 ▲17.6%)
28位(前44) 関西アーバン銀行 1,062億円(406 61.8%)
29位(前21) 百十四銀行 1,038億円(▲332 ▲24.2%)
30位(前31) 岩手銀行 964億円(▲84 ▲8.0%)
32位(前28) 武蔵野銀行 867億円(▲256 ▲22.7%)
34位(前40) 沖縄銀行 762億円(43 5.9%)
35位(前39) 愛知銀行 761億円(21 2.8%)
36位(前36) 東邦銀行 751億円(▲73 ▲8.8%)
37位(前32)山梨中央銀行 734億円(▲238 ▲24.4%)
38位(前37) 福井銀行 718億円(▲78 ▲9.7%)
39位(前30) 名古屋銀行 713億円(▲349 ▲32.8%)
40位(前41) 秋田銀行 692億円(2 0.2%)
41位(前34) 山形銀行 645億円(▲239 ▲27.0%)
42位(前42) 中京銀行 591億円(▲80 ▲11.9%)
43位(前38) 大分銀行 553億円(▲231 ▲29.4%)
44位(前48) 東京都民銀行 492億円(▲67 ▲11.9%)
45位(前54) 宮崎銀行 486億円(4 0.8%)
46位(前46) みなと銀行 484億円(▲83 ▲14.6%)
47位(前45) 十八銀行 475億円(▲103 ▲17.8%)
48位(前43) 青森銀行 466億円(▲201 ▲30.1%)
49位(前53) 愛媛銀行 456億円(▲41 ▲8.2%)
50位(前51) 第三銀行 453億円(▲85 ▲15.7%)
51位(前49) 佐賀銀行 445億円(▲99 ▲18.1%)
52位(前47) 栃木銀行 425億円(▲140 ▲24.7%)
53位(前55) 北陸銀行 423億円(▲198 ▲31.8%)→ほくほくFG
54位(前60) 琉球銀行 387億円(64 19.8%)
55位(前50) 千葉興業銀行 351億円(▲192 ▲35.3%)
56位(前56) 清水銀行 343億円(▲44 ▲11.3%)
57位(前57) 三重銀行 324億円(▲60 ▲15.6%)
58位(前52) 八千代銀行 319億円(▲198 ▲38.2%)
59位(前61) みちのく銀行 279億円(2 0.7%)
60位(前63) 鳥取銀行 236億円(▲28 ▲10.6%)
61位(前68) 筑邦銀行 233億円(37 19.1%)
62位(前59) 徳島銀行 227億円(▲139 ▲37.9%)
63位(前58) 香川銀行 218億円(▲155 ▲41.5%)
64位(初) 筑波銀行 217億円(― ―%)
65位(前62) トマト銀行 216億円(▲56 ▲20.5%)
66位(前65) 北日本銀行 211億円(▲28 ▲11.7%)
67位(前67) 大光銀行 210億円(9 4.4%)
68位(前70) 東和銀行 191億円(23 13.6%)
69位(前69) 荘内銀行 178億円(▲138 ▲43.6%)→フィデアHDへ
70位(前64) 南日本銀行 175億円(▲67 ▲27.6%)
71位(前66) 長野銀行 166億円(▲37 ▲18.2%)
72位(前71) 関東つくば銀行 153億円(▲208 ▲57.6%)→筑波銀行へ
73位(前72) びわこ銀行 147億円(▲84 ▲37.9%)→関西アーバンと合併
74位(前73) 東北銀行 135億円(▲2 ▲1.4%)
75位(前74) 富山銀行 118億円(▲14 ▲10.6%)
76位(前75) きらやか銀行 107億円(▲4 ▲3.6%)
77位(前77) 大東銀行 80億円(3 3.8%)
78位(前78) 高知銀行 79億円(8 11.2%)
79位(前76) 豊和銀行 62億円(▲17 ▲21.5%)
80位(前79) 岐阜銀行 56億円(▲12 ▲17.6%)
去年は、リーマンショックに端を発した世界的同時不況の影響もあり
ほとんどの時価総額が下落した。
去年の最大下げ幅は、新生銀行の4,458億円で、下げ幅率も同じく新生銀行の68.2%だった。
新生銀行とあおぞら銀行は、業績の悪化により経営統合も模索されたが
結局見送られた。
全体を見ると、去年と比べて回復の傾向は見られるものの
まだ時価総額が下落している銀行が多く、未だ景気が回復したとはいえない。
ただ、去年の最大下落を記録したツートップ・あおぞらと新生のうち
あおぞら銀行は時価総額が上昇しつつあるほか、新生も四半期決算では赤字を解消している。
特徴としては、相次ぐ持株会社の設立、吸収合併など
銀行業界も再編が進んだ年といえるだろう。荘内銀行・北都銀行の
フィデアホールディングス、泉州銀行・池田銀行の泉州池田ホールディングス、
びわこ銀行の関西アーバンへ吸収合併など、加速度的なアクションが目立った。
一方で、スルガ銀行のようにネットバンキングに力を入れる銀行は
すでに地銀という、一県に一つというようなどちらかというと守勢に立つよりも
より全国的に攻勢に出ることで、利益の拡大を図っている。
ネットバンキングは金融機関ではもはや通常となっているが
ネット上に支店を出すというやり方は、各行で導入しつつある。
08年4月に「八十八カ所支店」を出した愛媛銀行、今年の3月23日に「ももたろう支店」
を出店予定のトマト銀行など、地元客のみではなく全国で顧客を獲得しようと躍起になっている。
以上が今年度の地銀の時価総額から見たレポートだが
横浜銀行の時価総額が08年度では10000億円を超えていた事実を考えると
誠に隔世の感がある。
また、最下位の岐阜銀行が56億円と極めて低い状態にあり、他行もまた水準が下がっている
この状況を考えると、地銀という業態を革新的にするような
思い切った経営が求められていることは間違いない。