白雉日報社公式ブログ

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癒される旅行を求めて…銀山温泉はいかが?

現在新型コロナ禍により、わが国ではインバウンド(外国人旅行客)が

ほとんど皆無といって良い状況であるが

そのような中にあって、日本国内の観光地の魅力を再発見する

動きが海外であるようだ。

タイでは、山形県尾花沢市にある「銀山温泉」の温泉郷の景色が

映画かアニメのようだと話題になっているようだ。

thainokoe.com

銀山温泉は江戸時代初期に開湯したもので

もともとこの場所には、延沢銀山があった。

この延沢銀山は、出羽の豪族である延沢氏が治めていた領地で

延沢氏の当主である延沢満延は、最上氏と対立していたが

最上義光に帰順。以後最上氏の重臣として力を奮った。

その経済力を支えていたのが延沢銀山で、山形藩57万石は

他藩と比べて豊かであったために、減税に努め

義光の統治時代は一揆が起きなかったという。

その延沢銀山で働いていた鉱夫により発見されたのが銀山温泉である。

だんだんと銀山で銀の採掘が下火になってくると、それに代わって

銀山温泉は湯治客で栄え、特に明治以降は外見は昔ながらでいて

内装はモダンな温泉旅館が軒を連ねて現在に至っている。

 

 

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僕らが泊まったお宿。昔ながらの建物がそのまま残っている。

 

旅館数は12軒だが、いずれもモダンな大正建築で、収容人数は

さほど多くはないからいずれも数カ月前には予約で埋まっている。

泉質は含硫黄・ナトリウム・塩化物・硫酸塩温泉で

胃腸・傷・神経痛・皮膚病・婦人科・リウマチなどに効果があるという。

ただ、豪雪地帯であるために冬季になるとこの一帯は雪に囲まれ

非常に幻想的な風景になるが、やはり交通アクセスは良いとは言えない。

そのため、延沢銀山遺跡に行く道も雪に閉ざされるため立ち入り禁止になる。

 

モダンな風景が心を落ち着かせる

 

僕は友人4人と2年前に行ったのであるが、簡単に言えば貴重な経験だった。

3月中旬であったが、その時はまだ雪が残っていて…というかまだ雪のシーズン。

当然遺跡には行けなかったのだが

温泉街は浴衣姿でぶらりと散策できて、とにかく景色が良かった。

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夜の銀山温泉。川のせせらぎと相まってノスタルジック

僕らが泊まったのは、「旅館 永澤平八」という人名のような旅館で

3階建て7部屋のこじんまりとした宿であったが

部屋はとても広くて、内装も本物の和洋折衷という感じだ。

窓辺からの眺めがとても良くて、僕もそうだが友人たちと

ずっとこの幻想的な風景を眺めていた。

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客室からの眺めが良くて談話室はあまり利用しなかったが、落ち着く空間である

風呂は3つあって、2つは露天風呂。いずれも湯加減は温い程度で

長時間入っていられるほど。もう一つの内湯はとても熱く

しかも底が深いから立ったまま風呂に入っていた。

従って、ゆっくり浸かりたい時と、源泉に近い湯を楽しみたい時の

両方のニーズを満たしていて、とても満足である。

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料理は当然和食膳。このほかに鮎の塩焼きと山形牛のステーキが付いた

料理もとてもおいしくて、全てにおいてパーフェクトだ。

最近の温泉に見られるのだが、銀山温泉の全域にWi-Fiが整備されていて

ネット環境には困らない。

金銭的に余裕がある人は、ワーケーション(仕事と観光を兼ねる働き方)

にもうってつけかもしれない。

文豪は温泉宿に缶詰になって執筆したのだから、そういう働き方も

アリといえばアリではないか。特に旅行業界が打撃を受けている今なら

なおさらである。

僕は、もう銀山温泉の虜になってしまって、翌朝には

頑なに帰りたくないと駄々をこねていた。

非常に素晴らしい経験をさせていただいた。また宿泊したいものである。

そして、海外への旅行はまだ無理なようであるから

ぜひ、旅行先に迷っている方は銀山温泉を検討していただきたい。

現代日本人のささくれだった気持ちを優しく癒してくれる旅になるだろう。

 

「温泉むすめ」とタイアップしているらしい…。