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福島市で大規模ソーラー事業。自然に与える影響懸念

瀬戸弘幸顧問が先日、福島県において太陽光発電所建設事業所が

自身の借りている農用地の近隣にでき、その土砂が無断で

借地にバラまかれていることについて福島市に抗議するということを

動画で話されていた。

 

行政の失態で農用地が荒廃

 

これはどういうことかというと、この土地はもともと国営開拓パイロット事業

と呼ばれ、農業振興とそれに伴う灌漑整備を目的に

昭和46(1971)年から福島県が実施した事業である。

国策で実施されていた本事業であるが、実際はうまく行かず、途中から

就農者もいなくなり、耕作放棄地となり、荒廃していく一方であった。

そんな中、福島市では「福島市再生エネルギー導入推進計画」や

福島市次世代エネルギーパーク計画」を相次いで策定し

地域特性に合った再生エネルギーの導入を進めている。

その一環としてその国営開拓パイロット事業跡地で現在工事が進んでいるのが

あづま小富士第一発電所合同会社福島市)が手掛ける

(仮称)佐原太陽光発電事業である。

福島市佐原字富士見の約186ヘクタールもの大規模な太陽光発電所だが

事業主体はカナダのカナディアン・ソーラー・プロジェクト株式会社である。

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郡山市にあるカナディアン・ソーラー社のメガソーラー

同社の計画によれば

太陽光システムはカナディアン・ソーラー製だが、設計・調達・施工は

ドイツのjuwi自然電力(東京都)が請け負う。

カナディアン・ソーラーは、わが国でも攻勢を強めている大手メーカーの一つで

住宅向け太陽光発電から大規模メガソーラーまで幅広い事業を手掛ける。

外資系企業で固められていることも重要な視点の一つだが

大規模な開発にはそもそも自然環境への配慮が求められている。

 

環境影響評価制度は生きているか

 

わが国では高度経済成長期で、商業主義的な乱開発により公害が相次いだことで

自然への影響を最小限に抑えるために、環境影響評価法環境アセスメント)が

施行された。

それによると、太陽光発電所は出力4万キロワット以上については

必ず環境アセスを実施することが義務付けられている。

当該事業は、100万キロワットであるから、当然環境アセスの実施は義務である。

ただ、残念ながらその報告書は縦覧が終わっているため確認は手間が掛かるが

福島県の知事意見として

 特に、当該事業実施区域は約 186 ヘクタールと広大であり

近接して複数の住宅等が分布し湧水や地下水を利用していることからも

沈砂池等の維持管理をはじめ
太陽電池発電所設置後の太陽光パネルからの反射光による影響や

工作物の撤去に伴う廃棄物の処分等、評価書に記載した

環境保全措置を適切に行うこと。

としている。まさにこの部分が重要なのであって

環境アセス報告書の遵守は行政の監視も入るのであるが

細かい部分まで見ているかどうか。瀬戸顧問は甚だ疑問であるというわけだ。

実際に現地を見て、周辺の農用地への影響を最低限に

抑えているか検分してみたいと思う。