競馬が盛り上がれば行政の財源も潤う!
最近、「ウマ娘」効果で脚光を浴びている競馬界。
これら競馬は、パチンコと同じギャンブルではあるが
パチンコと違って、批判されることは少ない。
それもそのはずで、性質が全く異なるものだからである。
売り上げのほぼ1割が国庫に
いわゆる公営ギャンブルの仕組みというのは、馬券即ち勝ち馬投票券の売り上げが
そっくりそのままJRAの懐に入るのではなく、一部を国庫に納入されるのである。
例えば、100円の売り上げがあったとして、75円は払戻金に充てられる。
残りの15円がJRAの収益となり、残った10円が国庫に納入される。
ダイレクトに国庫に入る部分を第一国庫納付金といい、JRAの収益で
さらに利益が上がった場合は、JRAはさらに国庫に納付する決まりとなっている。
これを第二国庫納付金という。
これがまた大層な財源で、例えば2020年の第一国庫納付金は2991億円に上り
第二国庫納付金は307億円だから、およそ3200億円が国庫に納入されたことになる。
必然的にレースの賞金額も上がり、なおさら存在感が増すという仕組みだ。
例えば東京優駿(日本ダービー)の1着の賞金は1億円に上る。5着でも2000万円で
入着すればある程度の賞金を獲得することができた。
中央競馬より見劣りする地方競馬だが
一方で、地方競馬は各自治体が実施するもので、75%は払戻金は中央と同じだが
25%は実施者の利益として、分配金・納付金として自治体の財源となるか
地方競馬全国協会(NAR)に交付される。
ところが地方競馬はその性質から、賞金が低いことがネック。
例えば大井競馬場で行われる東京ダービーの一着賞金は4200万円。
中央競馬との交流戦である帝王賞でも6000万円と、大体中央競馬におけるG2の
グレードと同じ額である。
コースも砂のダートで、中央競馬と比べて盛り上がりに欠けるのが現状だ。
とはいえ、19年度の売り上げ7010億円のうち、主催者収益分が56.3億円で
それらは学校施設や医療の充実などに使用されている。
もちろん畜産振興にも貢献していて、馬という生き物を使用する以上
その分野の発展にも力を入れているのである。
韓国系や北朝鮮系のチェーン店がひしめきあい、ミサイル開発疑惑や
車内放置で社会問題化するパチンコなどとは全く性質が異なる。
何より競馬には物語がある。「ウマ娘 プリティーダービー」のストーリーが
アニメやゲームの中だけと思えばさにあらず、その世代の物語がある。
テイオーの有馬記念での奇跡の復活は、大きな話題となった。
(どちらかというと田原騎手の男泣き、のエピソードが強かった覚えがあるが)
それもこれも、競走という競技だからこそ生まれるドラマなのだろう。
今は競馬といえば、ダーティーなイメージはほとんど消え
若い女性のファンも多い娯楽となっている。
これからも幅広い世代に愛される競技であり続けてほしいものである。