緊急事態宣言で問われる「公助」の出番
ついにこの時が来たか―。
そう思った。6日の東京都の新型コロナウイルス(武漢ウイルス)感染者が
1591人に上った。愛知・大阪など17都府県で過去最多を記録した。
菅義偉内閣は7日に関東地方の1都3県で緊急事態宣言を発出する予定。
しかし、「1都3県だけで済むのか?」という指摘も多い。
実際日本全国で感染者が爆発的に増加しているのを見ると
東京だけで抑え込んでも、地方に散らばるだけではないかというのである。
重症者数も800人に迫る勢いで、これも過去最多だ。
前々から警告されていた「医療崩壊」が現実味を帯びてきている。
東京では病床の86%が埋まり、他の疾病患者の受け入れ拒否も発生している。
医療崩壊を防ぐためにも、緊急事態宣言は致し方ない。
何度も主張しているが、緊急事態宣言を出すのであれば
当然種々の給付金や企業や店舗への補償は行うべきだ。
意外なことに、「持続化給付金で助かった」と言う経営者が多い。
もちろん大手企業や複数店舗を運営する経営者は嬉しくないだろうが。
やはり粗利補償はしなければ、中小企業はもう経営を持続する体力は残っていない。
昨年の3~5月の売り上げは「9割減」という企業や店舗が多かった。
「売上が9割になった」ではなく「9割減」である。それが至るところで聞かれた。
そんな悪夢をもう一度やるくらいなら店を畳むという人が増えるのは道理だ。
経営努力でどうこうできる問題ではない。そこで「公助」の出番である。
大学共通テストは通常通り実施へ
さらには、大学共通テストは通常通りに実施するという。
そもそも大学共通テストは昨年から実施されているが、外部テストの導入を
見送ったり、出題形式がどのように変わるのか迷走している状況で
緊急事態宣言で無事実施することができるのか、という点も危惧される。
仮に合格しても、学費を支払うことができるのか。
昨年は各大学で学費の減免措置を行ったが、大学だけでできることも限界がある。
つまり緊急事態宣言を出すということは「全部国で面倒見るから心配すんな!」
ということでなければいけない。
もちろん、いくらデフレで日経平均株価がそれほど酷くないという状況でも
無尽蔵に予算がつけられるわけではない。
しかし、出す時は思い切って予算を出して国民生活を救うことが大事だ。
もしもの時は、議員報酬を全額返納して国民と一緒に苦痛を分かち合おう!
そういう気概を持った議員がいないのが口惜しい。
コメンテーターのデーブ・スペクター氏が皮肉交じりに言ったように
「緊急事態宣言で政府も営業停止へ」にならないよう
我々が目を見開いている必要があるだろう。