生活再建と同時に「心の再建」も並行せよ
知り合いと電話で長話をしていて、帰社時間をオーバーしてしまうほどだった。
その知り合いは外資系の保険会社に勤めているのだが
新型コロナの影響もあって、5月頃からテレワークを余儀なくされている。
オフィスに出社はできないし、顧客のもとへ行くにも会社の許可がいる。
6月くらいに、一度会って知り合いの保険をお付き合いさせて
いただいたのだが、タブレット端末を持っていて、そこで保険商品の
説明やら掛け金の試算やらができて、感心していたし
「テレワークなんて、進んでますね。うらやましいな」
と未だ出社している僕は素直にそう言ったのだが
意外なことに、ちょっと余裕がなさそうに
「最初はいいんですけど、大変ですよ。曜日感覚はなくなるし
一日中家にいますから、給料貰っていいのかと思うくらい」
と話していた。
その時はそんなもんかな、と思っていたんだが
僕もその後、何回かテレワークないし自宅療養を余儀なくされた時
最初は「静かだから集中できて良いな」と快適だったんだが
だんだんと「これ仕事してるって言えるのか」と思うようになった。
だからテレワークやるにしても、週に一回は出社するとか
ある程度社員同士で顔を合わせる機会を設けるのが必要だ。
僕の場合、2~3日だからまだいいが、その知り合いは何カ月も
そうしているわけで、本当に大変そうだ。
「元気にしてるかな」と思って電話したところ
「話し始めたら何時間にもなっちゃうw」と喜んでいた。
自宅にいると誰とも話す機会がないから
メンタルがやられるというのはあり得る話だ。
いわゆる「コロナ鬱」だが、8月に厚生労働省が1万人規模の実態調査を行った。
まだ結果は出ていないようだが、非常に意義のある調査である。
生活を支えるうえで、経済を回し
できるだけ日常に戻そうという取り組みは非常に大事だ。
セーフティーネット貸付なんて給付型にしても良いと思うくらいだ。
とはいえ、メンタル面をやられては仕事も何もできたもんじゃない。
東日本大震災の発生から10年を迎えつつあるが「心の復興はまだ」と聞かれる。
かくいう僕も、津波の映像を見ると心がザワザワする。
どこかにトラウマがあるんだろう。
思えば、震災の時は心の面はどこか置き去りにされた部分があった。
このコロナ禍は先行きが見えず、不確かな情報が行き交って
人々を不安にさせることばかり氾濫している。
生活再建と同時並行して、「心の再建」にも取り組むことが重要だ。