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米国大統領選、有権者が投票するのは大統領本人ではない?

 

米国では大統領選挙が実施されており、共和党ドナルド・トランプ大統領が

再選するか、それとも民主党ジョー・バイデン候補が現職を破るか

という流れになっている。

www3.nhk.or.jp

 

 

選挙の歴史は米国の歴史

 

ところで、この大統領選挙であるが、一見難しくしているのが

選挙人制度という仕組みである。

そもそもこの選挙人制度がなぜあるのかといえば、米国の歴史に関連している。

米国が独立した当時、その国土は非常に広いだけでなく

電信や交通インフラも非常に限られていた。

従って、全土に散らばる有権者の投票を反映させるためとして

有権者の代わりに、選挙人がその州の意思を中央の政府に届ける役目を

負っていたのである。そのシステムが今でも残っているため

実際に有権者が投票するのは、「トランプに投票します」「バイデンに投票します」

と誓約している選挙人なのだ。

それで、どちらか多いほうがその州の総意となる(ネブラスカ、メーンは採用していない)。

では、その決め方はどうしているのかというと、まず上院と下院議員を合わせた数

538人が合計となる。上院は各州2人ずつとなっており、下院は人口比で

決められていくため、州によって選挙人の数が違う。

例えば、最小はアラスカやワイオミングなど3人に留まるが

カリフォルニア州は55人と圧倒的に多い。続いてテキサス38人、フロリダ29人

ニューヨーク29人と並ぶが、カリフォルニアもテキサスも、独立運動があるほどで

あるから、選挙人も多い。そのために仮にフロリダで90%得票しても

テキサスで49%の得票で負けてしまうこともあり得る。

そのために、実は得票総数を見ても意味がない。

見るべきは選挙人が多い州でどの陣営が最多となれるか、である。

その部分がわが国の選挙制度とは全く違うところである。

 

選挙人が翻意した事例も…。

 

さて、現在行われている一般投票の結果を受けて選挙人が

12月にいよいよその州の結果を中央に届け出てそれを集計するのだが

その選挙人は形式通りに投票してくれるのかといえば、実はそうでもない。

一般投票の時点では、そう誓約したけれども、いざ本番となって

別の候補に入れたケースがある。

2016年の大統領選でも、7人が誓約違反を犯し

リバタリアン党緑の党候補者に投票するということがあった。

有権者からすれば「おいふざけんな」と怒るところだが

選挙人からすれば「そもそも誰に投票するかは私に一任されている」

と言いたいところだろう。

jp.reuters.com

 

現在米国では二大政党制で、両陣営の候補者の戦いが注目されているが

これを機に、米国の選挙制度そのものに興味を持っていただき

主要二候補以外の陣営ではどんな人が立候補しているのかも

ぜひ見ていただければ、もっと選挙制度を違う視点から見ることができるだろう。