白雉日報社公式ブログ

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政治家が挨拶状を出すのは禁止!?

先日、僕が勤める会社で大掃除と模様替えを行った。

コロナ禍の中で、密を避けようというわけで

席を大きく離した結果、僕が上席の役員のようになってしまったから

かなりネタにされてしまっている。まあ面白いのでいいかと思っているが。

 

自筆に感心したのも束の間、実は…?

 

さて、掃除をしていると、僕の書類の中から某町長からの御礼文があった。

この町長は、本当によく声を掛けてくださる方で

地域のまちづくり会社の株主になっていることもあろうが

仕事上の付き合いも快く引き受けてくださっては

その代わりといってはなんだが、愚痴を聞かされる。

数日するとその町長から御礼のハガキが届くので

「律儀で筆まめな方だなあ」と感心していたのだが

実はそれだけでもないらしいことがわかった。

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戦前の政治家中野正剛の手紙。現在でもこのように自筆である必要がある(ヤフオクより)

非常に厳しいことだが、挨拶状などの類は、選挙の候補者等が

出すことは選挙期間外でも禁止されているのである(公職選挙法147の2)。

しかし、例外があって、「答礼のための自筆によるものは禁止

の対象にはならない」。つまり、件の町長の場合

「先日は訪ねてきてくれてありがとう」というもので、訪問への

答礼であるから例外に当たるのである。

じゃあ年賀状や暑中見舞いなどはどうなるのか。

原則は同じである。時候の挨拶であろうと、何らかのお祝い状であろうと

政治家側から送ることは禁止されている。

あくまで有権者側から来た手紙の返礼状である必要がある。

または送らないことが安全ではあるが、それはそれで相手の気分を損なうから

面倒だと思いつつも、自筆のメッセージを書くべきなのだ。

有名な政治家から手紙が来ても一般の方は

「どうせ秘書でも書いてるんじゃないの?」とまっさきに思うであろう。

法ではそれが禁止されているので、自筆だと思っていただいて大丈夫である。

筆跡なんて誰もわからんだろうと、秘書が書くこともあろうが

バレたら事なので、自筆のことが多いようである。

僕のように手紙を書くことや、議会控室に直接伺うことが多い場合

さすがに誰が書いているのかわかってくるもので

これは慣れというほかない。

 

電子メールも注意必要、但しグレーゾーンも

 

では、電子メールはどうなのだろうか。

電子メールの場合、そもそも自筆などにできるわけがないので

そのあたりは緩い。但し、内容によっては事前運動ととられかねない。

従って、政治家側から有権者に電子メールを送る場合

後援会からのメルマガ形式にすることが多い。

一方で、LINEやメッセージなどの簡潔なやり取りまでは

さすがに規制しきれないようだ(選挙運動はきっちり定められている)。

このように、ネットでのやり取りが多様化する中で

法のほうが追い付いていない場合があるのが法の欠点である。

とはいえ、政治家には様々な制約がついて回る。

ぜひ、将来政治家になろうという方は今からでも気を付けていただきたい。