泡沫候補を無視するのが公平性?
(公社)東京青年会議所(伊澤英太理事長)による東京都知事選挙
候補者7人による公開討論会が6月28日に行われた。
出席したのは
山本 太郎
小池 百合子
宇都宮 健児
小野 泰輔
服部 修
立花 孝志
斉藤 健一郎
の7人(敬称略)である。
ところで、東京都知事選挙に立候補したのは22人に上る。
つまり実際に討論会に出席しているのは全候補者の3分の1程度である。
青年会議所は、大規模な選挙があると候補者を招いて討論会を実施するのが
ある意味通例となっている。しかし、今回のこれはどうだろうか。
なぜたった7人しか招いていないのか。同会議所では下記説明している。
立候補者が多数のため、「国会に議席がある政党の公認又は、推薦、支援を受けている候補者」「都道府県知事経験者」「衆議院議員・参議院議員経験者」以上に該当される主要候補者7名が参加予定です。
確かに、立候補者が何十人もいれば全員が出席することは不可能に近い。
だが、これが公平なやり方なのかといえば断じてNOである。
有力な候補者のみを参加させて露出を増やし、さらに「泡沫候補」と
差をつけているに過ぎない。
工夫次第でやりようはあったはず
公平なやり方というのは、全ての候補者の主張を分け隔てなく放送することであり
今回のように、多数に上る場合は、討論会を実施すべきではない。
というより、物理的に実施できない、が正しいであろう。
どうしても実施したいのならば、何回かに分けて放送するべきではないか。
裏番組で「もう一つの討論会」というのを実施していたようだが
これは東京青年会議所とは関係がない。
テレビや新聞ならまだしも、公益法人がこのように選挙について差を設けることは
断じて許容できるものではない。
そもそも、政党から公認、支援を受けていたところでまともに選挙活動をせず
当選を目指していないことすら公言している候補者もいるのだ。
その一方、日本第一党公認の桜井誠候補者は、このような討論会では
ほぼ無視されるものの、誰よりも都知事になったらどうするか、という
具体的かつ実効性のあるビジョンを描いている。
どちらが有権者にとって必要な主張をできるか、火を見るより明らかだ。
痛快な「泡沫候補」に敗れる「有力候補」の図
もちろん、新型コロナウイルスが蔓延するなかでの討論会は大変であろう。
しかし、実施するならば公平性を期すべきである。
東京青年会議所ではSDGs(持続的開発目標)への取り組みも盛んである。
SDGsの前提条件とは「誰も取り残さない」だが、はてさて、どうであろう。
むしろ、日の当たらない泡沫候補に注目するような特集などあれば
株も上がろうというものであるが。どうやら期待できないらしい。
それでも、我々は進み続ける。少しずつであるが、メディアが注目する
ようにもなってきた。泡沫候補の大きな巻き返し。まさに痛快ではないか。
そんな開票結果が出た時
「あなた方の選んだ出席者より上に我々はいます。それでも無視できますか?」
と我々を無視し続けたメディアに問いかけたい。