白雉日報社公式ブログ

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ブッダに学ぶ「死生観」

最近、事故や殺人が巷で頻発している。

暴力や憎しみが連鎖を生み、収束を見えることはない。

特に、先日発生した川崎・登戸大量殺傷事件では衝撃を受けた。

先ほどまで元気に歩いていた子どもや大人が、隣にいた人が

急に命を奪われる。これほど理不尽なことはあるまい。

この事件を聞いて、僕は「ブッダならどう説くであろうか…」と考えた。

別に僕は熱心な仏教徒ではないが、死生観に関していえば

最もしっくりくるのが仏教の教えであったからだ。

 

ブッダ最期の言葉「もろもろの事象は必ず過ぎ去る」

 

ところで、ブッダは自身の今わの際にどんな言葉を残したのか。

彼は旅の途中、病を得てクシナガラにおいて重篤化し

最後の説法を行って、静かに入滅した。

最後、弟子に向けて述べた言葉は

「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい」

である*1

ブッダはあらゆる執着を捨てることを義務づけた。従って、ブッダ死後

仏像や経典はほとんどが残されなかった。

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ギリシャやシリアなどの影響を受けたガンダーラ

現在残っている経典は、ブッダ亡きあと、弟子たちが集まって

ブッダの言葉を集めたものである。アーナンダ、シャーリープトラなど

十大弟子といわれている人々が仏教教団を率いた。

人の死についてブッダはどう考えたか

 

形あるものは全てが滅する。それは般若心経の「色即是空」である。

全ては空なのである。その一方で「空即是色」も誕生した。

空から色が生まれる、というものである。

これは一種の輪廻の考え方ともいえそうだが、失うことばかりではない

ことを考えれば、救いの言葉といえようか。

人はいずれ死を迎える。しかし、子どもの死についてブッダはどう考えたのであろうか。

ブッダ死後、インドでは異民族による征服やイスラム教徒の勃興などがあり

仏教は衰退していった。その時、彼らは何を精神のよりどころとしていた

のであろうか。

今後も勉強を続け、その都度まとめていきたい。

 

*1:中村元訳「ブッダ最後の旅」