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木喰と即身仏

「木喰」という言葉がある。
言葉のとおり「木を食べる」というものだが
これは仏教における苦行(木食戒)の一つであり、それを行った
僧は木喰を称する場合もある。
小泉純一郎元首相が一時期口癖のように使った
「まるまると 丸め丸めよ わが心 まんまる丸く 丸くまんまる」
というのは、木喰五行によるものと伝わる。
彼は仏師としても知られ、満面の笑顔をたたえたその仏像は
見る者を笑顔にさせてくれる。
ほかにも、木喰といえば木食応其も戦国時代の政僧として著名であろう。


だが、この木喰は恐ろしい側面も含んでいる。
生きながら地中に埋まり、ミイラとなりながらも
この世の安寧を祈り続ける「即身仏」はこの方法を行うからである。
即身仏となるために、まず食事は木の実などのみであり
時には膠を飲んで水分をできるだけ摂取しないようにする。
水分があると、死後に身体が腐ってしまいミイラになれないからである。
その後、石組みなどで頑丈に補強した穴の中に入り
竹竿でもって空気のみ途切れないようにする。
穴の中に入った僧は、死ぬまでお経を唱え続けるのだ。
お経が途切れたら、それは入定(悟りを開くこと)したということだから
一度穴から出し、身体の姿勢を直して再び穴の中に入れる。
数年の月日が流れて、穴から出すと、即身仏になっているというわけである。
この即身仏は、東北地方に圧倒的に多く、特に山形県に多く残っている。
これは苦行で有名な出羽三山を擁していることや
土の質が関東などと違って遺物が残りやすいためと考えられている。



有名なのは、南岳寺の鉄竜海上
http://www7.plala.or.jp/nangakuji/index.html


大日坊の真如海上
http://www.dainichibou.or.jp/


注連寺の鉄門海上
http://www2.plala.or.jp/sansuirijuku/index.html


いずれも庄内地方にあり、出羽三山の影響が極めて多く残っている。
拝観はできる(ただし有料)ので興味のある方はぜひ。