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純潔のマリアが海外で高い評価!神学にもスポット

純潔のマリア」という作品をご存知だろうか。
アニメ作品で、この3月に最終回を迎えたものだ。
百年戦争のフランスを舞台に、争い事が大嫌いな魔女マリアが
イングランドとフランスの合戦をことごとく邪魔しては止めてしまう。
そのため傭兵や貴族、魔女を異端とする教会からは嫌われているが
地元の村や争い事を好まない庶民からは慕われている。
実は、そのマリアは聖母と同じ名前で、さらに処女であった。
そんなマリアの周囲では、魔女の存在と教会との兼ね合い、マリアの干渉は正しいのか
などをめぐり、さまざまな人や神をも巻き込んでいく。


本作品は放送局が独立系の中でも少なく、全国放送もAT-XBS11くらいしかない。
ネット放送でバンダイチャンネルが配信している程度である。
とはいえ、海外を中心に人気を博していたようだ。
曰く「キリスト教徒だけど、この作品はキリスト教に対して悪意は感じられない。だって本当にあったことだからね」
曰く「中世のフランスを忠実に描いている」
といったものだ。例えば海外のゲームや映画などで日本の戦国時代を描く時
「SHOGUN2」のようにツッコミどころしかないような作品には
でかいブーイングが起きるものだが、日本人が中世のフランスを描いた「純潔のマリア」は
好意的に受け止められたようである。


また、キャストも豪華であり、マリア役を金元寿子さん、アルテミス役を日笠陽子さん
プリアポス役を小松未可子さんといった人気声優で固めたところも大きい。
特に金元さんの演技は定評があり、本作品においても
その才能を十二分に発揮してくれた。
声優好きにもたまらない作品になっていることは確かであろう。


とはいっても。
当社で取り上げたのは宗教が絡んでくるためである。
海外で好意的に取り上げられたのはもちろん歴史に忠実であったことが大きい。
少ししか映らない傭兵団が実在するもので、紋章もそのままであったり
甲冑などの装備も当時にはよく見られたものだそうである。
海外で話題になっていたのは、その宗教観である。本作では司祭も登場し
マリアを通じて新しい宗教観を生み出す。これは理伸論と呼ばれる立場で
人間の認識と神の存在を関連付けるというものだ。
僕は神学や哲学について疎いので、これ以上はうまく解説できないが
この考えはかなり進歩的な考えであったらしい。
それについて海外の掲示板では盛り上がっていて、ペラギウスやら、アリストテレスやら
果てはデカルトやら実存主義やらという言葉が飛び交っていた。
アニメ作品がこれほどまで深い議論を提供するのは、実に心地よいではないか。
僕も素直に、本作品はおもしろいと思えたし
エンディングも何の違和感を感じずすっきりと終えることができた。
今期はアルドノア・ゼロ艦隊これくしょんなど、前評判が高いものに賛否両論集まっているだけに
この隠れた名作も皆さまにご紹介し、洛陽の紙価を高めるものである。


TVアニメ「純潔のマリア」公式サイト
http://www.junketsu-maria.tv/