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洗脳と思想を考える

「思想」とは何か。「信条」とは何か。
それを考えるのはとても大切なことである。
しかし、私たちが人間である限り、完全に公正中立である
というのは不可能であろう。
では、私たちはなぜ特定の思想や信条に染まってしまうのか。
それを説明しているのが文学作品にもある。


例えば、映画「ザ・ウェーブ」である。
これは、米国のとある高校で起こった実話を元にしているのだが
教師がナチス・ドイツ全体主義について説明しようとするも
生徒はなかなか理解できない。
そこで考え出したのが、クラスでナチスの真似をしようというもの。
とはいっても、それほど難しいことではない。
クラスに名前をつけるだとか、統一した服装を使うだとか
あいさつの仕方を考えるだとか、教師の指示には従うこと
などである。
最初は「バカバカしい」と守っていなかった生徒もいたが
次第に仲間の間では不思議な連帯意識が生まれ
教師を指導者として崇めるようになっていく・・・。
というもの。
実はこの中には、多くの示唆が含まれている。
例えば、クラス皆が同じ服装をしていることを他のクラスの生徒が
からかい、バカにするのだが、それを見たクラスメイトが
バカにされていた生徒を助ける。
これはいじめの構造と似ていて、他人から「こうだ」と
言われると、「こうなってやる!」と開き直りにも近い
行動を取り始めるのである。
他者からの攻撃は、むしろ全体主義を加速させる効果があるといえる。


また、フジテレビで大人気だった「世にも奇妙な物語」の中で
「23分間の奇跡」という名作があったのをご存知だろうか。
クーデターで政体が変わり、教育制度も変わった国のとある小学校に
新しい教師が赴任してくる。
その教師は、わずか23分間で小学生を洗脳することに成功するというもの。
その23分間の間でも、それほど大掛かりなことはやっていない。
まずは、前体制の教えに疑問を持たせることである。
「平等」とは何だろう?「自由」って何?「平和」ってどういうこと?
そして、お菓子などで児童の歓心を得ることはもちろん
奇麗な服装や音楽でも釣ることを忘れない。
疑問を口にする児童もいるのだが、そういう生徒の疑問
に激高したり、否定するのではなく
むしろ「この子のおかげで、お菓子が自然に出てくるのでは
ないことはわかりました!とっても頭がいいですね!」
と持ち上げ、むしろその児童をクラス委員にするなどして
認めるのである。大切なのは、クラスの一人一人のことを把握することで
児童は承認欲求が満たされるのである。
そしてもう一つは、児童により主体的に前体制を否定させること。
この作品の場合は、教科書であったが
象徴するものを否定させることで、洗脳に拍車をかけるのである。


スタンフォード監獄実験など見ても
こんなんで狂うとかアホだろ
なんて思われがちだが、人間の心とは単純で、弱いものである。
だからこそ物事を常に疑問を持ち、多角的視野から
考える必要があるのである。