白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

石巻で、復興を考えた。

仕事で石巻市に行ってきたのだが
そろそろ、「何してんのっしゃ」とごしゃがれそうな
雰囲気を醸し出している石巻の復興状況。
もちろん、大きな復旧は終了している。
つまり、道路を直したり、ガレキを片付けたり・・・。
だが問題は、復興である。
宮城県では震災復興計画を10カ年で分けて策定しており
復旧期→再生期→発展期としている。
平成26年度からは再生期であり、すべて復旧している状態
でなければならない。
だが、JR仙石線はまだ全面復旧しておらず
かさ上げも進んでいるとはいえないのが現状。


さらに、復旧復興はハード面だけに限らない。
石巻市中心部商店街は以前以上のシャッター通りになり
歩行者もまばらだ。
特に不満を買っているのが、国の復興予算の使い方。
例えば、中小企業の事業者が復興のためにグループを組んで
事業を行い、そこへ国の補助金を支給するグループ補助金だが
震災後、いち早く復旧させた事業者には適用されないのである。
もちろん、なかなか復興できないという企業には相応の支援は
必要だが、顧客や取引先に迷惑をかけたくない一心で
無理してまで事業再開にこぎつけた企業にはなぜ補助金が支給されないのか。
いち早く事業を再開させたのは、一重に事業者の努力によるもので
行政としては、インセンティブが必要だと思うのだがどうだろう。


そして人を呼び込むためには、例えば空き店舗に入居して
事業をオープンした場合は、家賃を行政が負担するとか
法人税を減免するとかなどの優遇措置も必要だろう。
もちろん、既存の店舗と業種がかぶらない、付近の住民の納得を得る
などの条件は必要だが、それくらいやらなければ人は来ないのである。
思ってみれば、阪神大震災の復興を反面教師にしていないのが
問題である。阪神大震災後の復興は、はっきりいって失敗であった。
ハコモノだけをどしどしつくり、ソフト面を強化しなかったのである。
評価できるとしたら、神戸港の早期復旧だがこれにしても
うかうかしたおかげで、今やハブ港は釜山港に取って代わられた。


今、仙台は大規模開発が進み、地価も高騰している。
地下鉄東西線の開業も来年まで迫った。
しかしどうだろう。それら大規模プロジェクトは
今後数年で終了してしまう。その後を見据えた政治を
行っているのか、甚だ疑問に思わざるを得ないのだ。
何らかの手を打たなければ、仙台は第二の神戸となり
せっかく増えてきた人口の流出は免れまい。