白雉日報社公式ブログ

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アメリカの金融制裁が効果的だった理由

読売新聞の報道によると、14付の北朝鮮・労働新聞は12日の核実験に続き
継続して追加の核実験を行うことを示唆した。
社説では、「今後、米国が我々の核実験を口実にどんな圧力や攻勢を行っても通じない」と
繰り返し述べており、ICBM大陸間弾道ミサイル保有についても言及したという。
核実験に対し、安倍晋三首相はアメリカのオバマ大統領と電話会談を行い
金融制裁などの強化を実施することで一致した模様だ。
会談の中で、安倍首相は05年にアメリカがバンコ・デルタ・アジアの口座を凍結したことにも触れ
「良い経験だった」と指摘したという。


これには、少し補足が必要であろう。
基本的に、海外の銀行に口座を持った場合は他国が干渉することができない。
これは当たり前のことであるが、実は干渉することができる場合もあるのだ。
例えば、僕がアメリカのシティバンクに口座を持つとする。
そして、1000ドルをその口座に送金するとしよう。
その場合、実はお金は実際に送金されるわけではないのだ。
当然のことながら、個人が海外に送金するためには、国内の銀行を通して海外預金を行う必要がある。
まずはその銀行から海外の指定の口座に送ってもらうわけだが
銀行はというと、シティバンクならシティバンクに口座を持ち、そこに一度送金し
個人の口座に振り替えるのである。
もちろん、円の送金はできないため、アメリカの通貨であるUSドルで口座に収まる。
この海外銀行による口座を「コルレス口座」という。
わが国でコルレス銀行として海外銀行の口座を受け入れているのは、三菱UFJ銀行など、都市銀行でも少数だ。
従って、海外に送金するというのは非常に手間がかかるし、時間もかかる。
海外預金したのはいいが、じゃあ引き出したいと最寄りの銀行に言っても
すぐには引き出ししてもらえないのは、こういう手順を踏むためなのだ。
アメリカが北朝鮮に対して実施したのは、マカオのバンコ・デルタ・アジアのアメリカ国内のコルレス口座を
凍結したことだ。北朝鮮ウォンは国際的に信用度が悪く、ほとんど用いられない。
そこで、世界の基軸通貨であるUSドルを持つ北朝鮮高官が多い。
とはいえ、コルレス口座を持つ銀行は限られている上に、マカオ特別行政区
支那当局のチェックも甘いということで、マネーロンダリングの口座としても使われることが多いのだ。
バンコ・デルタ・アジアがアメリカ国内に持つコルレス口座は、アメリカ金融当局の取り締まり範囲内にあるため
口座凍結が可能だったというわけである。


その結果、バンコ・デルタ・アジアに財産をたんまり隠し持っていた北朝鮮高官は
一気に兵糧攻めの憂き目に遭い、六カ国協議に向けた話し合いに応じたというわけである。
これを再現せよ、と安倍首相は求めたわけだ。
一方で、加盟国に強制力を持たせる国連憲章第7章に基づく決議を出すかどうかで安保理が揉めている。
支那が反対しているためだ。今回の核実験でメンツを潰されたのは支那なのに
これはどういうことだろうか。
カンボジアに侵攻し、ポル・ポトをジャングルに追っ払ったベトナム
1979年、「うちの許可もなく攻め入った」として、支那ベトナムに侵攻した。
北朝鮮の親分ならば「お仕置きしてやろう」と攻め込み、でっぷり太ったあん畜生を
ウラルの向こう側にたたき出すことができるはずだし、国際世論はそれを支持するだろう。
だが、それを支那がやらないのは、これまで散々北朝鮮を支援したことに関係があることは明らかだ。
あるいは「唇亡くなれば歯寒し」とでも思っているのであろうか。
まぁ、その懸念はある意味正解だと思うがね。