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「体罰を受ける権利」という汚さ

ニコニコ生放送で、「体罰の会」主催による
戸塚ヨットスクール戸塚宏校長と南出喜久治弁護士の討論が行われた。
「子供は体罰を受ける権利がある!?緊急集会」というものだが
まず最初に断っておきたいのは、昨今話題になっている体罰問題は
いささか騒ぎすぎなきらいがある。例えば、教師が生徒から侮辱され、平手打ちしたら
処罰された件などは、明らかに生徒側に非があるし、これは教師と生徒に限らず
大人対大人でも起こり得ることである。まず相手を理由もなく侮辱してはならないという
ことを教えることが足りていなかったのだと思う。
それを踏まえて、今回の討論だがまず内容が酷すぎた。
そもそも、戸塚ヨットスクールはなかなか社会に馴染めない子供たちを集めて
ヨットを通じて、自立心を芽生えさせるというもの。
それ自体は素晴らしいことだと思う。だが、問題はその教育内容があまりにもスパルタすぎて
脱走する子どもが続出しており、挙句の果ては死亡する子どもも出したことだ。
防ぎきれない事故ならまだしも、教育の過程において死亡する子が出るというのは
教育として認めたくはない。
生放送では、マスコミを口を極めて批判していた戸塚氏だが
マスコミ批判と体罰問題は、本質的には関係がない。
また、良い国をつくるためということも強調していたが、まったく同意しかねる。
ツイッターでも書いたが、鈴木貫太郎元総理大臣が海軍兵学校校長時代に鉄拳制裁を禁止し
進んで外の知識を吸収するよう、生徒に促した。
そのため、広い視野を持ち、柔軟な思考を持った生徒を数多く輩出した。
大東亜戦争で、自身の危険を顧みず敵兵を救助したことで知られる工藤俊作中佐も
鈴木校長の下で教えを受けた一人である。
「海軍軍人はスマートであれ」を体現した教育であるといえよう。


もちろん、体罰がまったく必要でないかといえばそうではない。
僕が小学生の時は、とても怖い先生が担任となって態度が悪い児童は
首根っこを掴まれ引きずり回されたりした。
かくいう僕も、げんこつを食らった一人だ。
このげんこつは、たった1回きりだったが今でも人生の大事な教訓である。
その先生は怒る時は本当に怖かったけれども、そうでない時はノリが良い先生だったし
僕たちが何かしようという時は、それをよく見守ってくれていた。
体罰は、必要ないとはいわないが、最小限でいいのである。
子どもは意外と、鋭く聡い。教師が子どもを軽んじていると、それは伝わる。
正面から一生懸命向き合えば、それも伝わるのだ。