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IFRSは果たして正しいか

国際財務報告基準、略してIFRSというが
これの導入が予定されている。金融庁が主導して
2015年あたりまでに、上場会社に対してIFRSを強制的に導入させる
方針であるようだ。現在は、あくまで任意であって
報告義務が課せられている程度。
東証の有価証券上場規定第409条の2に規定されているのだが
あまりに改正が頻繁なものだから、公式サイト上では
古いものがアップロードされていることもあって
なかなか混乱するかもしれない。
ただし、新たに09年12月22日に新たに改正されている文書があって

上場内国会社は、事業年度経過
後3か月以内に、当該事業年度の末日における
公益財団法人財務会計基準機構への加入状況(
当該機構に加入していない場合は、翌事業年度
以降における加入に関する考え方を含む。)を
開示しなければならない。ただし、施行規則で
定める場合は、この限りでない。

とある。従って、現在のところは強制ではない。
そこで、気になるのは現在どれくらい導入しているのかってことだが
東証さんのほうに聞いてみたら
なんと、実は上場会社のうち99%は導入しているとのことだ。
ただし、上場していても小さい企業なんかは財務処理が大変だから
まだ導入していないとのこと。
この会計水準、何のために導入するのかというと、これまで
財務会計はその国ごとにやり方が違っていた。
てことは、別の国の企業が違う国の企業を見る時に
わけがわからなくなる。会計処理を世界で統一することで
スタートラインを同じにしましょうと、そういうことだ。


ところが問題がある。日本でも一時期、時価会計が実態に合って
いないと指摘されたように、このIFRSでも日本独自の会計処理が
できなくなる。
例えば、のれん償却なんかは日本では均等に償却されることが
常識だったが、IFRSでは非償却になる。
あるいは優先株式は日本においては資本になる。
しかし、IFRSでは償還義務があるため負債になる。
このように、日本では資産になったものが負債になり
逆に開発費といった負債になるものが資産になったりと
財務担当者には混乱する内容となっている。


国際競争力を育成するために会計処理を世界水準に
合わせるのは大切なことだと思うが
低価法のように、これによってかなり大幅な財務の見直し
を迫られる企業も増えることが予想されている。