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まずもって天あり。

ぼのしげ様より
吉凶を自然現象にひっかける習慣について
古代中国では吉兆もあったとのご指摘を受けた。
本職のぼのしげ氏から見たら、私なんぞ素人の背伸びに過ぎないのだが
素人なりに勉強していきたいので、いろいろとご指導いただければ幸いです。


さて、古代中国では氏のご指摘の通り吉兆も自然現象にひっかけていた。
例えば、周の武王が殷の受王を滅ぼした牧野の戦いの前に
武王が河を渡っていた。その舟に白魚が飛び込んできた。
白は殷を象徴する色であって、それが周の舟に飛び込んできたのである。
さらに、火の玉が河から出でて、周の舟を通りすぎて烏となり
「魄」と鳴いて去った。火の赤い色は周の色であり
烏は天の使者である。それが「魄」と鳴いたということは
天は魂が周に易することを認めたということになるというのである。


もちろん、自然現象だけでなく人・動物など多くのことが
天命によるものと判断された。


これまた例えば、斉の景公が病を得て祈祷させていたのだが
なかなか治らない。これはどういうことかと重臣に尋ねた。
「それは、天帝にうまく伝わっていないからでしょう。
 祈祷師を殺し、天帝に直訴させれば治るでしょう」と答えた。
とはいえ、ためらいを覚えた景公は宰相の晏子に尋ねると
晏子は、なりませぬ。と諌めた。その理由は、と続ける。
「祈祷師を殺せば天帝に直訴できるでしょうが、そのためには
 天帝から斉がいかに治められているかを審らかにされるでしょう。
 斉はうまく治められておりませんので、天帝がお許しになるわけがなく
 殺すに及びません」
といい、一々どこが治められていないかを説明した。
景公は祈祷師を殺すことをやめ、その後まもなく病が治癒したのである。
この諌め方は、天帝に引っ掛けながら斉の改善すべき点を
報告したことになる。実に見事であろう。