白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

飲食業界の平均賃金を分析する。

以前、飲食業界はとても酷いという記事の中で
飲食業界の平均年収を他業種と比較したりしていたんだが
そういうものの09年判をやりたい。
しかし1年空いてしまって、比較もちょっと薄くなっているのだが
そこはご勘弁いただきたい。


上場企業の中で飲食店を運営する企業56社を
平均年収、従業員平均年齢、前期比といった一覧で出した。
企業名の横にあるカッコは主な店舗名。

アークランドサービス(かつや)     470万円(31.8)09.06期↑20 450万円(32.3)07.06期  
アトム(アトムボーイ)         386万円(34.4)09.03期↓47 433万円(33.4)07.03期   
あみやき亭               502万円(33.4)09.03期↑8  494万円(32.5)07.03期
安楽亭                 406万円(34.2)09.03期↓16 422万円(32.2)07.03期
壱番屋                 429万円(33.4)09.05期↑15 414万円(31.9)07.05期
王将フードサービス           486万円(30.3)09.03期↑22 464万円(29.6)07.03期
家族亭                 398万円(36.3)09.06期↓43 441万円(36.5)07.03期
カッパ・クリエイトかっぱ寿司)    467万円(30.4)09.02期↑31 436万円(28.7)07.05期
カルラ(まるまつ)           350万円(35.5)09.02期↓13 363万円(33.1)07.02期
銀座ルノアール             431万円(33.7)09.03期↑51 380万円(32.8)07.03期
クリエイト・レストランツ(草楽)    389万円(32.9)09.02期↓11 400万円(32.9)07.02期
グルメ杵屋               441万円(34.4)09.03期→0  441万円(33.6)07.03期
コロワイド(甘太郎)          411万円(36.0)09.03期↑28 383万円(34.7)07.03期
元気寿司                418万円(30.9)09.03期↓13 431万円(31.6)07.03期
幸楽苑                 360万円(31.1)09.03期↑6  354万円(30.1)07.03期
サイゼリヤ               578万円(31.7)09.02期↑20 558万円(30.2)07.02期
サガミチェーン             475万円(33.1)09.07期↑8  467万円(32.4)07.07期 
サトレストランシステム(和食さと)   566万円(40.0)09.03期↓14 580万円(38.9)07.03期
三光マーケティングフーズ(東方見聞録) 428万円(31.9)09.06期↑11 417万円(29.7)07.06期
サンデーサン(ジョリーパスタ)     478万円(38.5)09.03期↑45 433万円(36.7)07.03期
サンマルクホールディングス       531万円(37.6)09.03期↓47 578万円(37.7)07.03期
ジー・テイスト平禄寿司)       342万円(32.1)09.03期↓8  350万円(33.2)07.03期
ジー・ネットワークスおむらいす亭)  386万円(35.8)09.03期↓4  390万円(36.5)07.03期
ジクト(ステーキ宮)          アトムと合併        405万円(35.2)07.02期
ジョイフル               400万円(31.0)09.06期↑8  392万円(31.2)07.06期
スターバックス コーヒー ジャパン   494万円(31.8)09.03期↑35 459万円(31.1)07.03期
大庄(庄や)              400万円(40.0)09.02期→0  400万円(39.0)07.02期
ゼンショーすき家)          562万円(34.3)09.03期↑22 540万円(33.7)07.03期
ダイナック(響)            486万円(38.4)09.03期→0  486万円(38.4)07.03期
タスコシステム(北前そば)       上場廃止          ???万円 (??.?)07.06期
テンアライド(天狗)          544万円(36.8)09.03期↑21 523万円(34.0)07.03期
テンコーポレーション(てんや)     598万円(36.1)09.03期↑24 574万円(34.7)07.03期
東天紅                 408万円(35.2)09.02期↓14 422万円(35.1)07.02期
東和フードサービス(ドナ)       462万円(30.7)09.04期↓12 474万円(30.5)07.04期 
どん(しゃぶしゃぶどん亭)       501万円(35.3)09.02期↑43 458万円(33.9)07.02期
トリドール丸亀製麺)         489万円(32.0)09.03期↑37 453万円(30.2)07.03期
日本ケンタッキー・フライド・チキン   501万円(33.0)09.05期↓29 530万円(32.9)07.05期
ハークスレイほっかほっか亭)     473万円(34.5)09.03期↑92 381万円(32.8)07.03期
ハイデイ日高日高屋)         482万円(33.5)09.02期↑9 473万円(32.8)07.02期
ハチバン8番ラーメン)         497万円(37.1)09.03期↑8 491万円(36.3)07.03期
ハブ(PUB)               472万円(30.7)09.02期↑18 454万円(29.9)07.02期
パワーアップ(元祖にんにくや)     上場廃止          326万円(27.4)07.05期
フジオフードシステム(串家物語)    404万円(35.1)09.06期↑17 387万円(33.4)07.06期
フライングガーデン           456万円(30.5)09.03期↓6 462万円(29.2)07.03期
フレンドリー              485万円(36.4)09.03期↑15 470万円(34.8)07.03期
ペッパーフードサービスペッパーランチ) 456万円(38.1)09/06期↓7  463万円(36.2)07.06期
ホッコク(どさん子)          417万円(44.3)09.03期↑4  413万円(46.5)07.03期
松屋フーズ               505万円(32.2)09.03期↓13 518万円(30.7)07.03期
マルシェ(酔虎伝)           449万円(36.9)09.03期↓6  455万円(35.3)07.03期
丸千代山岡家              429万円(36.9)09.01期↑9 420万円(34.8)07.01期
モスフードサービスモスバーガー)   628万円(39.8)09.03期↓34 662万円(39.9)07.03期
焼肉屋さかい              415万円(31.2)09.03期→0  415万円(30.4)07.03期
吉野家ホールディングス         978万円(44.9)09.02期↑365 613万円(36.9)07.02期
ライフフーズ(ザめしや)        473万円(32.0)09.02期↓5  478万円(31.0)07.02期
ロイヤルホールディングスロイホ)   495万円(44.0)09.06期↓213 708万円(46.4)07.06期
ワタミ                 534万円(34.0)09.03期↑4  530万円(36.0)07.03期


まず、この一覧から分かるのは、この経済情勢の中で
意外と給与水準は上がっているということだ。
56社のうち、増額が29社に及び、減額が20社、変わらず4社、不明3社だ。
この要因は、つまるところ去年の原材料価格の高騰が一段落したこと
そして、この不景気の中で低価格の外食産業に追い風が吹いているためだ。
逆に、高級志向の外食産業は客足が伸びず、両者の間で明暗が分かれたということだろう。
増額トップは吉野家ホールディングスで、何と365万円の増額となった。
もちろん、同社の低価格牛丼が当たりに当たったためであって
急成長を遂げているためだ。しかし、この大増額も同社初の赤字となれば
一気に落ちる可能性もある。
また、「ほっかほっか亭」を統括するハークスレイプレナス脱退により
東日本における店舗展開を余儀なくされたが、この一連の騒ぎで
図らずも宣伝効果はあったようだ。また、店舗コンサルティング
プライベート・エクィティ事業で利益を上げたほかTRNコーポレーション
子会社化に成功したため、セグメントで賃金格差はあるのかもしれない。
10万や20万の賃金アップに成功したところは、大体低価格路線で増益を達成した企業だ。
例えば、丸亀製麺を運営するトリドールは前期比37万円を達成したが
丸亀製麺は、今期の売上高192%の増加となっており、まさに馬鹿売れである。
さらに、居酒屋運営でも同様、景気の悪化によって会社員も学生も
低価格全国チェーンに流れている。


一方、平均年収が大幅に下がったのは
ロイヤルホールディングスの−213万円だ。
元々、同社が展開する「ロイヤルホスト」は高品質だが価格設定は高めだった。
そのため、客足は伸びず、88円サラダや88円ポテトなどのサービスも行うものの
根本的な打開策にはならなかった。だとしても下げすぎだとは思うが
リストラ策の一環では給料カットは一番やりやすいと思っていたのだが
それはないとご指摘を受けた。
確かに一般管理費についてここ2,3年大きな変動はなく
給料のカットだけでこれだけ下がるのはないかと思う。
ただ連結21社のうち08年度で新しく連結に加わった企業
1社が全株式取得、2社が新たに設立した企業だが
それが−231万に繋がったということもまた腑に落ちない。
これについてご存知の方は、ご存知の方はぜひご指摘いただきたい。
また、前回比47万円の減少となったサンマルクもまた、低価格店舗に客を取られた形になった。
すなわち、この低価格路線という流れは、一目瞭然であったのに
それへの対応を怠ったばかりに、減収減益となった企業があるが
その補填に従業員の賃金が使われるのは、どういうことなんだろうか。
逆に、「てんや」を運営するテンコーポレーションはロイヤルの子会社だが
低価格路線を進めながらも新規出店はゼロ。
取引先倒産などがあり、結局4200万円の赤字となってしまった。
しかし、それでも賃金が24万も増えているのは、ベースアップや昇給が
守られている企業なのだろう。


このように、今期飲食業界は戦いが激しさをましており
今後も厳しい経済状況の中、低価格がキーワードになる。
各企業がどのような店舗戦略を進めていくのか期待される。
もちろん、従業員の賃金は保証すべきだがね。