白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

善き人のためのソナタ」を見た。
これは東西冷戦時の東ドイツを舞台にした映画で
国家保安省のベテラン捜査官が、とある芸術家を
盗聴することになるのだが…。


という、心温まるというか、いろいろスリルがある物語。
個人的にはこういうのは結構好きなんだけど
どうしてもわからんのは、ヴィースラーが
どこから芸術家に心を寄せるようになったかってのがわからん。
いつにまにかそうなってた感じだったから。


しかし、東ドイツの秘密警察というか言論弾圧は凄いものがある。
これ別の見方をすると、国家が国民の成長を抑えていたということだものね。
国民には意思があって、学ぶ力もある。
であるならば、政府を批判すること、或いは海外に学ぶこと等々によって
国民の意識というのは方向性の問題はあるだろうが
時に刺激を受け、時に競合し、鍛錬されるはずだ。
従って、西側諸国の自由主義は、極めて高度な成長を遂げた。
一方、東側諸国はそれらを抑えつけたために成長はできなかった。
例外的に、チェコポーランドでは首脳が穏健だったために
また国民運動が盛んであったために、文化的意識は成長することができた。
両国で文化人の活躍が目覚しかったのは、そういう原因がある。
実はソ連も、弾圧がなかった頃、或いはスターリンの死後は
一時期であるが、ロシア構成主義の時代でもあった。
プロパガンダとして用いられたものが多いものの、この芸術的思想は
今でも質の高いものとして評価されている。