白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

NNNドキュメント
「笑って死ねる病院」という特集があった。
金沢にある城北病院では、人員不足や経営のやりくりに
苦戦しながら、患者の「末期の願い」を叶え続けている。
終末期相談医療報酬とは、終末期をどう過ごすか
延命措置はどうするかについて患者が医師に相談した場合
数千円の医療報酬が生じるということだが
城北病院はその制度とは関係なく、無償で患者の望む終末期を演出してきた。
「散髪をしたい」
そう言った老人は、元気なころは焼き鳥屋を営み、元気に包丁を握った。
今はやせ衰え、妻や娘に看取られながら最期の数日間を過ごすだけだ。
床屋で散髪し、すっきりした老人。「二度惚れするかな」と
茶目っ気を見せ、笑顔を見せた。
1年ぶりの自分の店。店内は彼が入院した当時のまま。
職人としての腕が疼き、自然と腕をさする。
そして彼の第一声
「テールの煮込みからいくか」
それはまさしく、職人の姿だった。
数日後、彼は容態が悪化し、危篤に陥った。
「そろそろお迎えがきたみたいです。何か言い残すことはありませんか?」
と耳元で聞く医師。
変わって奥さんが何事か言葉を交わす。その途端
その場は笑いに包まれた。何かおかしいことを言ったのだろう。
そして彼は、笑いの中で逝った。


終末期医療についてはさまざまな意見があるが
人の死の中で、笑いながら死ねるということが何と幸せなのだろうと
俺は思った。