白雉日報社公式ブログ

日本第一党東北地方の何でも屋さん。

「万年時計」というのをご存知だろうか。
田中久重という江戸時代の技術者が作った最高傑作だ。
正直な話、俺はこの人知を超えた発明を知らなかった。
いろいろ勉強するのが大好きな身としちゃ
この世の中は不思議が溢れている!
などと、かっこつけたことを抜かすこともあるにはあるが
一方で「こんなことも知らんのか」
と常識を疑われるような無知ぶりを発揮することもままある。
今日の俺がまさにそうで、何の常識を知らなかったかというと
ゼンマイだ。
カタカタって回して動かす、チョロQとかのやつな。
あれの構造をまったく知らなかった。
ただゼンマイといえば、ニッパツとかそういうイメージだ。
だから今日、ゼンマイが金属の板を巻いたやつだって知って
大発見をしたようなえもいわれぬ感情に包まれたものだ。
さて、そんなゼンマイだが、金属の薄い板を巻いて、それが直線に
戻ろうとする力を利用して動力とする、何ともシンプルな動力源だ。
ただ巻いている段階で弾かれたら死亡だろうな。

万年時計は、和時計や洋時計・月齢から天球儀、干支やら節句などが連動して指される
時計で、文字盤が季節によって動くのが特徴だろう。
そしてそれらすべてが、手作りの歯車によって作用している。
当然江戸時代には電気技術はなかったから、すべてゼンマイだ。
さらにそのゼンマイは巻き方とか金属の質にもよるのだが、数日が限度らしい。
ところが、万年時計というのは1年も持つ。
今、コンピューターでどれだけの誤差があるか計算したらしいんだが
この万年時計は、ほとんど誤差がない。ヤバイってんで
セイコーの人もびっくらこいたそうだ。
これを見た時、はっきり言ってヤバイと思った。
田中久重は他にもお茶汲み坊主とか、弓引き童子といった
カラクリ人形を作っているのだが、すべてが人知を超えたものだ。
その復元プロジェクトがセイコーを中心にして行われ、100人の技術者が
半年を掛けて分解、解析を行い、復元したのを愛・地球博に展示したのだが
やはり機械で作った歯車でも噛み合わなくて、結局手作業で作ったり
真鍮の板は作られていないので、ステンレスで代用したりしたらしい。
はぁぁぁぁ……何か凄すぎて、言葉が出ないわ。
実は田中久重、田中製作所という会社を作っていろいろ開発を手がけたんだが
これが後の東芝だったとは。