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前回、東証のデータの解説をしたんで、今回は大証1部とJASDAQをやろう。
というのは、大証1部とJASDAQはなぜか持株会社の数が多かったんで
それはなぜだろうってのをグラフを用いて考察してみることにしたんだ。
まず、大証1部がなぜ東証1部に次いでなぜ持株会社が多かったのか。
それではグラフを見ていただこう。

この地図を見ると、多くの業種に何社か固まった状況がいえる。
つまりどういうことかというと、東証1部の次に出来高が多いのは
ベンチャー向けのマザーズと、店頭取引であるJASDAQを除くと大証1部だ。
従って、大企業は東証1部と大証1部上場をすることで信用力を上げようとする。
例えば、サカイ引越センターのCMには「東証大証1部指名」とかいうテロップが流れるぞ。
また、地方に拠点を作る際、やはり関西は大阪になる。そのビジネスの一環として
大証に上場しようとするのではないだろうか。
それからもう1つ。
大証1部に上場している業種で一番多いのは小売業だな。
ところで、小売は流通だから、当然各地に支店を持つ。或いは元々大阪に本社がある場合もある。
そう、例えばH2Oホールディングスとか、或いは松坂屋と統合した大丸は関西圏を中心に
百貨店を展開しているからな。
流通業界は再編の嵐が巻き起こっており、それがグラフにも影響が出たのだろう。
次に多いのが医薬品。
ここは再編が極めて多く、M&Aが半端ない。
例えば第一三共は2005年に第一製薬と三共製薬が合併したし
同年、協和発酵がキリングループに入り事業持株会社となった。
近年では三角合併による外資の日本企業買収の話もあって
外資と比べて事業規模が小さい日本企業
(世界規模で日本の製薬業界は約9.3%で、約8割が欧米の企業がシェアを持っている)
は戦々恐々としているのが実態だ。


繊維業も多い。繊維というとピンと来ない方も多いだろうが
我々の身近に存在する。洋服の生地はもちろん、建築素材や自動車の部品にも多く用いられている。
先端技術ではグラスファイバーも繊維。
バドミントンのシャトルなどもナイロン製のものが多い。
こういうもので有名なのはダイワボウや東レ帝人東洋紡などがある。
この中で持株会社制を実施しているのは帝人とダイワボウ。
大阪は昔から商業都市として有名で、当然原材料を扱う繊維業も盛んだった。
今でも関西商品取引所中部大阪商品取引所で繭糸など繊維に関わる商品が取引されている。
繊維ニュースという業界紙も大阪に本社を置いており
繊維業界の動向を欠かさず伝えている。



次に、JASDAQにおける持株会社の考察に進んでいこう。
まずはグラフをごらん頂きたい

JASDAQ市場は、元々店頭市場といわれていたもので
上場はできないが、店頭市場において取引をすることができたのだ。
そのため、東証大証ほどの巨大グループなどはなく
業界中堅や、将来指定替えを目指す新しい会社が多いようだ。
さて、業種別に見ると、圧倒的に情報・通信が多いようだ。
これも世相を反映していると言えることなんだが、ITバブルと言われた
あの頃から、どうも情報・通信企業による持株会社化というのは増えているようだ。
アニメや携帯コンテンツの人気も背景にあることは間違いない。
例えば、携帯コンテンツのサイバードHD。
それからソフトバンクとか。経営の多角化により持株会社となることも多い。
とにかく、今乗りに乗っている業種ということがわかる。
次に多いのが、サービス業だ。
これもやはりサービスの多様化という点では再編は活発だろう。
8社のうち、3社は人材派遣だし、介護ビジネスも1社ある。ネット広告代理業も1社。
すべて最近になって台頭してきた新しいビジネスだ。
これから先も、恐らくは新規ビジネスを引っさげて持株会社化する企業というのは
増えてくるだろう。


また、商品先物や為替をやる会社が持株会社をやるケースも多くなっている。
例えば、ひまわりHDやユニコムといったとこ。先物と為替・証券は別会社が
やるらしく、それで持株会社となった模様。
これはまた、資金調達や信用力を上げるためでしょうなぁ。