白雉日報社公式ブログ

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世界最大の金融グループシティグループ
東証に上場を申請した。今日のマーケットニュースで入ってきたニュースだ。
ところが日本の投資家連中は一様に歓迎を示さない。なぜか。
エンロンアレルギーが日本には残っている。
全米第7位の企業だったエンロンが突然破産したのは2001年12月だが
その時、401kは合計で10億ドルを超え、年金基金の損失は15億ドルとなった。
2000年8月に同社の株価は90ドルとなったが、その後は一気に下落の一途を辿った。
ところが、経営幹部144人は3億1000万ドルの役員報酬と4億3500万ドルの株式を
懐に収めていた。
エンロンストックオプションが充実していたことで知られる。
一般社員には会社の業績はうなぎのぼりであり、一見気前のいい401kを普及させ
退職後のプランを提供していた。
ヒューストンのエンロン・フィールドでのこけら落しでは
会長のケネス・レイが始球式を行い、共和党民主党の両方に多額の政治献金をし
主管庁から多くの便宜を取り付けた。
しかし、実際はエンロンは多くのペーパーカンパニーからなる詐欺会社だった。
年商1000億ドルはやはり実態のないもので、実際はデリバティブ取引に絡んだ
利ざやによるものだった。
こういった類の取引は、一夜にして富豪と貧民が入れ替わるような取引だということは
常識な話で、健全な企業は絶対に手を出さない。だがウォールストリートの投資家や
アナリスト、当然日本でアメリカ株をやっていた投資家連中は仰天した。
そして、エンロンのずさんな経営や、政治家との黒い関係が明るみに出ると
ウォールストリートは一気に冷めてしまい、以後現在に至るまで
エネルギー関係の企業が世界でトップになってはいないのだ。
だが、根深く残るエンロンアレルギーは、企業が嘘吐きであることが原因だ。
根本的な原因は企業が投資家を、一般社員を、時に幹部の一部を生贄に出して
計画倒産に持ち込んだ「前科」にある。
あの世界的な通信企業パワードコムやAOLタイムワーナーが果たして
「損をする」とはっきり言ったことがあっただろうか。
日本の投資家はウォール街が企業の大言壮語に踊らされて有り金全部を投資し
そしてすべてスっていった光景を対岸から見ていた。そして思った。
「アメリカは信じられない」
シティグループも、日興コーディアル買収の際は少なからぬ批判を集めた。
その強引な手法が日本には合わないのではと、こういうことだ。
日本では敵対的TOBが成功したことはない。日本人がそれを嫌うからだ。
だがシティグループはM&Aの他、あらゆる手を使って日本企業の買収に動くはずだ。
日本企業はシティグループ上場の日を、どのような気持ちで臨むのだろうか。